登り初め

ふるまわれたものを口に含むと馥郁たる味と香りが口いっぱいに広がります。
飲み下したものが身体中に沁み込んで行きます。
国盛の純米生搾り?
なんだかよく解かりませんが極上のお酒であることは解かります。
そして厚切りのロースハムやら蒲鉾やらがわんさかと出てきます。
暖房がガンガンに効いた移動式別荘の中で豪勢な宴会の始まりです。


20100102

明けましておめでとうございます。
もう1月2日。元旦は家でおとなしくしておいて、今日は書初めならぬ遊び初め。という訳であいも変わらず御在所通い。「他は知らんのか。」と言われれば「知らん。」と答えるtanuoさんです。
今日は常連さん達も集合との事なので行かぬ訳には参りません。

外に出ると庭が濡れています。そして薄くなった髪を擦り抜け雨粒が頭を直撃。「天気ええんとちゃうんかい。」よく見ると白いものが漂っています。「こりゃ御在所は雪ですな。ちゃっぷいから止めちゃおかな。」なにせ三重県は2cmの積雪でパニックになります。帰って来れないかも、いや辿り着けないかも。
それでも皆さんお出かけなのに私だけズルを決め込むのも気が引けます。「行くだけ行ってみっか。」てな訳で倉庫からツルハシを探し出し車に放り込み出発です。
DISは外気温−1℃を表示しています。霙なのでワイパー一掻きで視界確保。
豊明市まで来ると+1℃で道路も半分乾いています。雲間から月の光が漏れています。どうやら霙は家の近所だけだったようです。「サボらずに良かった〜。」

6:55 a.m. 湯ノ山、奥の駐車場着。
バスターミナルから前を走っていたワゴン車にはOさん達が乗っていました。占めて5人、ワン箱(1Box carの事)って居住性が良くどこへ行くのにも便利なんですね。寝る事もできるし着替えも楽だし。うちも子供達が幼かった頃、冬の間はリアシートをフラットにして布団が敷きっぱなしでした。またワゴン車に替えるか?
Iさん達も既に到着済み。新年の挨拶を交わし仕度にかかります。
そう言えばUさんの姿が見当たりません。聞くと「寒いからパス。」だとか。危うく私もそうするところでした。でも私の場合、休み中に住み着いたメタボの子を少しは追い出さなくてはいけません。
ぷ〜よぷよぷよメタボの子〜♪

7:10 a.m. でっぱつ。

あれっ、写真を見るとまだ雪が舞っているようですね。
Oさん達はローペースで行くとの事で後から出発。I夫妻と先行します。
年末の八ヶ岳の土産話を伺いながら中道を行きます。
東の方は青空が覗いていますが山頂は雲の中。絶えず山頂の雲から風花が流されてきます。
積雪はまだまだ少ないですが、やっと冬らしくなりました。やはり来て正解でした。

8:05 a.m. 地蔵岩上の尾根上まで来ると御在所中腹に日が射し始めました。振り返ると東の分厚い雲の上から太陽が今まさに上ろうとしています。上るのを暫し待ちます。

本年初のご来光。一日遅れの初日の出。しっかり満喫させて頂きます。

久しぶりの雪の感触を楽しみながら行きます。北谷テラスからは掘割の中。風が当たらず快適です。雪が多いと吹き溜まりになる所ですが、今日はまだほんの小手始め。横に逃げる必要も無く快適に進めます。
黙々と歩いている内に正面にはエルガーフェイス。ガスってはっきりしませんが、手前の霧氷が綺麗です。

この先直ぐに岩稜帯。風花が吹き付けるモノトーンの世界。ああ太陽の光が欲しい。日が射せばさぞかし綺麗なことでしょう。

上のテラスからは吹き溜まりになり易い所。ここを過ぎれば直下のガレ。この辺りは笹の緑と、おどろおどろしい姿のシロヤシオに付着した霧氷のコントラストが綺麗な所。ああ日の光が欲しいです。


9:05 a.m. 富士見岩展望台着。

針のようなトゲトゲに成長した霧氷を愛でながら行きます。風が強いとエビの尻尾状に風上に成長しますが、風が無いとこのように四方に棘のように成長します。


9:10 a.m. 朝陽台着。
霧氷林の中を望湖台へ向います。アゼリア前で小休止兼燃料補給。

9:45 a.m. 望湖台着。
岩に付着したエビの尻尾が綺麗。まだまだ貧弱ですが風の流れがよく解かります。
自然とは時としてこのような作意的とも思える造形を作り出します。自然に敵う芸術家なんて居ないのではないかと思わしめる事がよくあります。

その後、記念碑広場を経て峠道へ。
この辺りも笹と霧氷林のコントラストが綺麗な所ですが相変わらず太陽はかくれんぼ。

峠道へ出ると西からの強風で風花が顔面を直撃します。堪らずフードで頬を覆います。しかし人間のツラの皮って本当に分厚いものですね。手なんてほんの暫く外気に曝しているだけで凍傷になってしまうのに、ツラの皮ってなかなかならないものです。でも右半分が痛くて堪らん。目出帽どこにやっちゃったのかなあ。
展望台から下は笹に覆われた掘割。急に風が当たらなくなりほっとします。
落葉の上に薄く積もった雪に足を取られ、尻餅を搗きながら小走りに降って行きます。
武平峠で小休止。これからの登り返しに備え燃料補給。
まだ雪が少ないので良いのですが、多いとここからが大変なところです。今日はIさんから頂いた干柿で糖分とミネラル補給。ファイト一発! 市田柿。

暫く登り尾根に出るとまた強風に曝されます。よりによってこんな低気圧さながらの強風が吹き荒れる時にこんな所に来るとは。世の中には物好きがいるものです。

11:05 a.m. 三ツ口源頭部通過。


11:25 a.m. 鎌ヶ岳山頂着。
北側岩塔に付着したエビの尻尾が綺麗。

祠で初詣。あっ、御在所の御岳社での初詣を忘れていた。また来週にでも参ってきましょ。
その後は祠の横でツェルトを被りお昼にします。
Iお父さんのザックから五合瓶が出てきました。それを鍋にかけ暖めています。ふるまわれたものを口に含むと馥郁たる味と香りが口いっぱいに広がります。飲み下したものが身体中に沁み込んで行きます。
国盛の純米生搾り? なんだかよく解かりませんが極上のお酒であることは解かります。そして厚切りのロースハムやら蒲鉾やらがわんさかと出てきます。暖房がガンガンに効いた移動式別荘の中で豪勢な宴会の始まりです。
一時間ほどの大宴会の後、ぼちぼちお片付け。正月早々いささか飲み過ぎちゃいました。こんな豪勢な事やってて罰が当たりそう。

12:30 でっぱつ。フラフラヨタヨタ千鳥足。そこのけそこのけヨッパライが通る。
オラは酔っちまっただ〜、オラは酔っちまっただ〜、天国に行っただ〜。天国良いとこ一度はおいで、酒は旨いしねーちゃんはきれいだ、ワ〜、ワ〜、ワッワ〜。

夢か現か気が付けば車まで戻っていました。
途中夢を見ていたような気がします。
そうそうシャクナゲの葉っぱが寒さの所為か傘をすぼめたようになっていました。葉っぱ一枚一枚も内側にクルリと円筒形に巻き込んでいます。こんな寒い世界が夢の中の世界には有るのですね。

そして次には凍てついた氷で出来た森の世界。まるで雪の女王の庭園のようです。

その森の下にはツララがいっぱい。

そのツララを集め氷のシャンデリア。シャンデリアとキャンドルとは同じ語源であるそうです。いかにも氷のローソク(ツララ)が連なった状態=シャンデリアという表現がぴったりです。
雪の女王様は粋な事をなさいます。

氷の回廊を抜けると目の前に雪原が広がりました。その遥か向こうに人間どもの世界が広がっています。下界は日の光に満ち溢れています。

雪の女王の世界と人間界を隔てているのは水の城壁。上から覗くと○ン○マが縮み上がりそうです。

振り返ると雪の女王の世界はいつの間にか氷が消えていました。

そして目が醒めたら駐車場に居たという次第です。時刻が14:05
幸い雪の女王様から玉手箱は貰っていません。よかった白髪頭のジジイにならなくて。
夢か現か…、案外御在所そのものが雪の女王の世界なのかもしれません。

と正月早々おとぎ話風に仕上げてみました。
先行き不安なご時世、多少なりとも夢のある年にしたいですね。


夢から醒めた後、最後の仕上げに温泉へ。希望荘はどうせ正月は一般客は入れないだろうし、ウェルネス鈴鹿路もマンネリ。偶にはと湯ノ山入り口の片岡温泉へ。
目に付き易いのか凄く混んでいました。中もそう広くないし、湯船には垢(湯垢でなく明かに人の垢)がいっぱい浮かんでいるし。ここは失敗ですね。露天風呂はまあまあですがやはり人が多過ぎます。こんな事ならウェルネスにしておけば良かった…。


2010年01月02日23時45分00秒 記

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