3000mの涼風

岩の上で大休止。
燃料補給の後は寝転がる。
エアコン効き過ぎ。
背中に当たるお日様の温もりが心地良い。
首筋、二の腕が焼け易いのでガードを忘れずに。
世間話をしながら寛いでいると
時間はどんどん過ぎてゆく。


20090814

今年の夏は休日特割で高速道路を使い遠出しようかな? 久しぶりに北アか中ア、う〜ん迷うなあ。
そう思っていたところにOさんからお誘い。なになに、中央辺り? 日帰りならロープウェイか。多少出費が嵩むが偶には良いか。
連絡が取れ行き先は御嶽山。早朝ピックアップしてくれると言う。ロープウェイとバス代が不要になり「ホッ。」
8月14日午前4時30分ピックアップして貰い出発。
三好ICから高速に乗り東海環状で土岐経由で中津川へ。災害で不通になった東名も下り線は復旧しており中央道への影響は無くなったようだ。早朝の高速道を快調に走る。
中津川から19号線、木曽福島元橋から御岳へ。ウィークデーの所為か道路はガラガラ。田の原まで行っても誰も居ないのではないかと思うくらい他の車を見かけない。それでも田の原に着くとそこそこの車が既に駐車していた。
7:30 a.m. 田の原駐車場着。
ピーカンの青空。大気は冷んやりと滅茶苦茶爽やか。天然のエアコン、この時期鈴鹿ではとても考えられない爽やかさです。やはり本物の山はええですな。
朝のお勤めを済ませ仕度にかかる。

8:00 a.m. でっぱつ。

見よ、この雲ひとつ無い青空を! 気温湿度伴に低く爽やか過ぎて気付かないが、鈴鹿では考えられないほど日焼けし易いのである。
道端には早速、アザミ、アキノキリンソウ、ヤマハハコが出迎えてくれる。

ナナカマドの紅葉も一部見られる。オトギリソウもここのはでかい。


8:40 a.m. 八合目、檻に入ったお不動様のすぐ下で休憩。
三笠山、田の原が既に遥か下に見える。雲海の向こうに中央の山並み。本当に浮島のようだ。
大荒れの雲海から大きな波が打ちつけ、巨大な水柱のようにガスが湧き上がっている。こんな日は午後には曇りになってしまうんだよなあ。とは言え王滝頂上は抜けるような青空。

富士見岩を過ぎるとチラホラと高山帯の花が目に付く。二の池から賽の河原辺りにはゲップが出るほど咲き乱れている類いの花だが、とりあえずパチパチ。


9:40 a.m. 一口水着。
今日は水が多い。いつもはポタリポタリだが今日はチョロチョロと連続して流れ出している。
Oさんはそれを賞味して「なまぬるい。」 私ゃ自前で担ぎ上げたポカリを賞味。「甘くて旨い。」

腰を下ろし燃料補給。
雲海の荒波の遥か彼方には八ヶ岳島、甲斐駒島が見え隠れしている。Oさん曰く「今日の海は時化てますね。」私も同感です。


9:55 a.m. 大ノゾキ着。

今は綺麗に見えているが昼にはこの谷もガスで埋め尽くされるだろう。
もうここからは王滝頂上は目と鼻の先。
イワツメクサが増えてくる。頂上小屋手前にはかなりの群落。これも賽の河原辺りにはうんざりするくらい咲いているがとりあえず写しておこう。


10:15 a.m. 王滝頂上着。
祠に拍手の後、防風壁の外へ。今日は全くの無風。火山ガスの噴気だけがシューシューと大きな音を立てている。
石ころだらけの道を剣が峰を目指し歩を進める。エッチラオッチラ胸突き八丁。
振り向くと奥の院の暗い影が陰鬱な雰囲気。


10:45 a.m. 剣が峰山頂着。
Oさんは3000m峰は初体験だとか。空気の薄さが体感できない模様。あれだけ心肺機能が強ければ何も感じないでしょうなあ。かく言う私は心肺機能が弱すぎて御在所程度でもゼーハーゼーハーやっています。平地でも綺麗なお姉さんの前では心臓バクバクです。
まずはOさん、お初の3000m、おめでとうございます。

祠(と言うには立派過ぎる)に拍手の後、山頂北端へ。
剣が峰から御嶽山頂一帯を俯瞰する。
波が高く、隣の乗鞍島も見え隠れ。ずっと向こうの笠島はピラミダルな姿がよく解かる。薬師島もデカイので解かるが他の島はあまり判別できない。

岩の上で大休止。燃料補給の後は寝転がる。エアコン効き過ぎ。背中に当たるお日様の温もりが心地良い。
首筋、二の腕が焼け易いのでガードを忘れずに。
世間話をしながら寛いでいると時間はどんどん過ぎてゆく。

11:15 a.m. ぼちぼちでっぱつ。
社務所裏から一の池へ。
ガスの無い地獄谷は噴気でいっぱい。まるでガスのように周りの岩場を覆い隠している。

外輪山を辿るのはパスして一の池西端をショートカット。あまり内側を行くと底無し沼に足を取られるので。
一度外輪山北端に登り返しそこから二の池へ。
途中から雪渓の上端に狙いを定め砂ザレへ。コマクサの群落を荒らさないように注意深く。
コマクサはすぐ現れた。昨年は絶滅したかと思うほどだったがまずまずの開花状況。時期的には遅いのですがここは割りに遅くまで咲いています。たぶん四の池辺りは殆ど終わっていると思います。
綺麗どころをパチパチ。

群落を傷めないよう細心の注意で降って行く。
写真を撮っていると上から降りてきた人が我々と共にコマクサを見つけ砂ザレに入ってくる。見るからに覚束ない足取り。あれじゃあ崩したザレで株を傷めてしまう。
滅多に人に会わないのでいつもここを降っているが、これからは人目を避けて降るようにしなくっちゃ。

降りながら足先に違和感。不安的中。先週長石谷を降っている時に剥がれかけていた右側の靴のソールがまた剥がれかかっている。私にしては珍しく、先週帰宅後しっかり乾燥させゴムボンドで補修したのに。
ソールといってもビブラムだけでなく昔で言うアイガメ部分ごと剥がれかかっていた。昔の靴はタコ糸で外皮をアイガメに縫付けそれをニカワで固めてあり、アイガメが剥がれるなんて事は絶対になかった。むしろビブラムが擦り減りアイガメまで傷めてしまうと靴そのものの寿命と言われていた。昔の靴が使い方次第で一生ものと言われるほど堅牢だったのに対し、今の靴はなにもかもゴムや接着剤で貼り付けてあり使い捨てを前提としているように思える。
騙し騙しザレを降り雪渓に出る。滑り降りようとするとベロンと完全に折れ曲がり土踏まずまで剥がれが広がってしまった。こうなるともうどうしようもない。騙し騙し下まで行きヒモで固定する。
ついでにまた小休止。
コバルトブルーの湖水、雪渓の白、草も付かない岩屑だらけの剣が峰、真っ青の夏空に真っ白の夏雲。
靴のトラブルも忘れ夏の景色を満喫する。

応急処置のまま賽の河原へ向かうが花が少ない。暫く行くとソールを固定していたヒモが外れる。面倒になり「もう引き返そうか。」

二の池前でまた小休止。こんなのんびりもまた宜しからずや。

巻き道経由で王滝頂上へ。二の池の周りはシナノキンバイの乱れ咲き。岩屑の中に小さなコロニーを作り今が盛りと咲いている。



13:00 王滝頂上通過。
予想どおり湧き上がったガスで辺りは曇ってきた。景色は楽しめないが日焼けが抑えられ、暑さも凌げてちょうど良い。
コバイケイソウ、オンタデなどの雑草の姿も水場まで。後は周りに目もくれず降って行く。なんどもヒモが外れその度に靴の手当て。ドスンドスンと降りるものだからヒモも外れますわなあ。
アイガメ部分が無いわけで外皮が横に広がり靴がガバガバ。おかげで足先が靴の先に当たり爪先が痛い。「ふ〜、えれーめだなあ。」賽の河原まで足を延ばさずにおいて良かった。


14:30 田の原着。
御嶽山はすっかり雲の中。午前中はピーカンの快晴。今日も良い一日でした。


片付けものを済ませ帰途に就く。まだ日は高く、夏空の下、落葉松の大木の中を行く。風はまだ冷たく日焼けで火照った身体に心地良い。
道路の渋滞も無く至って順調。往復共に中央道、東海環状でRichな山行。ええもんですなあ。


2009年08月15日15時35分00秒 記

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