久しぶりの献血Hike

「ギョエ〜!」
3cmほどのヒルが張り付いているではありませんか。
慌てて引っぺがす。
本来なら素手で触るのも御免蒙りたいところですが、
そんな悠長な事言ってられません。
指先に残ったあのムニュッとした感覚、
「あ〜、おぞましい。」




20090711

今週は雨だと思っていた。小降り程度なら人出も少なく御在所の駐車場も混まないだろう。
ところがどっこい、前日の天気予報では晴れになっていた。曇天か小雨を期待して翌日に備える。
そして当日、空は明るい。自宅近くから鈴鹿の山並みを遠望すると、曇ってはいるが稜線がはっきり見える。
菰野町に入ると御在所山頂に僅かに掛かっていた雲まで晴れてしまった。時刻は6時20分。到着時刻は急いでも40分は過ぎるだろう。ほんじゃまあ、また宮妻にでもすっか。

6:40 a.m. 宮妻峡駐車場着。車はまだ1台も停まっていない。「今日は御在所も空いていたかな?」
まずはトイレで朝のお勤め。それからおもむろに夕べ調達しておいたおにぎりを頂く。
駐車場脇の合歓の木の花が満開。もう7月も半ばに達してしまった。ウカウカしていたらまた冬がやってくる。(ちょっと気が早すぎるかな?)

のんびり構えていたらどんどん車がやってくる。ほんじゃまあぼちぼち仕度するかなあ。

7:10 a.m. でっぱつ。

今日も左回り。なにせ北半球なものですから。
林道を外れカズラ谷道へ入る。樹林帯の中、風が通らず蒸し暑い。ああ、中道の爽やかさが恋しい。裏道の涼しさが恋しい。かといってもう30分早く起きる事は寝坊助のtanuoさんには至難の業。30分早くても必ず停められる訳でもない。Iさんの話では6時30分でも停められなかったとか。有閑中高年には困ったものです。あっ僕も有閑中高年だった。

滝を過ぎ急な登りとなる。
思っていたほど道は濡れていない。これならヒルの心配も無いだろう。
汗だくになりながら急な山道をひたすら登る。
暫く行くと道端に何やら動く物発見。おっ、蛇だ。やけに赤いなあ。三角頭といい模様といいマムシのようだがこんな赤いのいたかなあ。これがかの有名な【赤マムシ】か。(本当はなにかの商品名です。)

写真を撮ろうとするとコソコソと逃げ出す。シャイな赤マムシ。
その先で上の方から素っ頓狂な声。まるで犬が尻尾でも踏まれたかのような声だった。一瞬本当に犬かと思った。物好きなご主人様に付き合わされて可哀想なワンちゃん。飼い主は満足かもしれないがワンちゃんはよい迷惑である。おまけに他の人にもよい迷惑である。なんて思いながら行くと数名の若い男の子が休憩中。ヒルでも見つけて騒いでいたのかな。
なにげなくズボンに目を遣ると右膝の辺りに赤い汚れが付いている。まさかねえ。こんなに周りは乾いているのに。大きさは5mm角程度。ヒルならもっと大きく広がる筈だ。
と思いながらも裾を捲り上げてみると、「ギョエ〜!」 3cmほどのヒルが張り付いているではありませんか。
慌てて引っぺがす。本来なら素手で触るのも御免蒙りたいところですが、そんな悠長な事言ってられません。指先に残ったあのムニュッとした感覚、「あ〜、おぞましい。」
吸い付いていた所の1cmほど横にも吸い付いた跡がありそこからの出血がズボンを汚していたようだ。「僕の血ってそんなに不味いのかな? このヒル君の嗜好に合わなかったので場所を変えたのかな。」なんとグルメなヒル君だこと!
そして左側も捲り上げてみると、「ギョギョギョエ〜!」 ゆうに6cmはあろうかというほどの大物が向う脛に張り付いている。またまた慌てて引っぺがす。しかしこの大きな事! そしてその感触の気持ち悪い事! こんな大物は初めてです。
そしてそのすぐ下、靴下の上から頭を突っ込んでニョロニョロ。こいつも引っぺがし靴下を下げ点検する。
もういないようだ。こんな場所で細かく点検なぞやってられない。血を滴らせたまま行く。もうすぐ水場、あそこで休みついでに手当てをしよう。

水場着。時刻は不明。ヒルの被害に気が動転し時刻記録の為の写真撮影を忘れていた。
まあそんな事より傷の手当て。
まずは顔や腕の汗を濡らしたハンカチで拭い、一息入れたところで傷口を拭く。「あちゃ〜、ズボンが真っ赤っか。」バンドエイドを天蓋から出すが2つしかない。ザックの中の小物袋の中を探すが見つからない。いざという時に役に立たないtanuoさん。傷口の大きな二ヶ所だけに貼り、後はティッシュで拭うだけ〜。しかし血が止まらんなあ、いつまでもタラタラと流れっぱなし。
ヒルの唾液には血液の凝固を妨げる酵素が含まれているそうだ。そのおかげで腹いっぱいチュパチュパゴクゴクできるのである。その酵素が無かったら飲んでるうちにモグモグどころかバリボリバリボリと噛まなきゃならなくなる。ヒルには咀嚼する歯が無いのでこんな能力を身に付けていったのだろう。
この酵素や痛みを感じさせないヒルジンなどのおかげで欧州では中世の頃からヒルを医療によく使っていた。漢方でも使われているし、日本でも鬱血を取るためにヒルに吸血させていたそうだ。鬱血による壊疽を防ぐには重要な医療用生物だったのである。
ドロドロ血の人は慢性的にヒルに吸血してもらっているとその唾液が身体中に行き渡りさぞかしサラサラ血になることでしょう。(本気にしないでね。)
tanuoさんも献血してからなんだか体調が良くなったような…。(な、アホな。)
しかしなあ、もうここへも来れませんなあ。やはり早起きして御在所にするか。それとも高速使うか。いや高速使うのなら鈴鹿なんぞに来なくても良いなあ。どもまで行っても一律千円。毎週上高地入りも可能なんだよなあ。ん?そう言えば誰かがやっていたなあ。高速も無い頃に。

稜線に出ると下草がビショビショに濡れている。ここまで来ればもうヒルも居ないだろうが、それでもまだ流血中のtanuoさんは戦々恐々、濡れが気になる神経質さ。
最後の難関、笹トンネル。あ〜、身体中ビッチョビチョ。

9:00 a.m. 岳峠着。
濡れた身体を乾かすべく暫し小休止。
冷たい西風が吹きつけ寒いくらい。


9:15 a.m. 鎌山頂着。
時間的に早い所為か誰もいない。久しぶりの静かな鎌ヶ岳。

薄日も射していることだし、着乾かししながら足回りの点検。ついでに靴も脱ぎ点検するが被害は先ほど手当てした所のみ。ああ良かった。
じゃあもう暫くおにぎりでも食べながらのんびりしようかね。


9:50 a.m. でっぱつ。
今日は久しぶりに水沢峠から降りようかと思っていたが、どうも嫌な予感。きっとあそこもヒル君がてぐすねひいて待っているに違いない。となるとまた奥の沢?
いいねえ。あのすっきりした谷筋ならヒル君もいないだろう。それに名前の響きが良い。なんだか奥三ノ沢を連想する。かみさんの沢=奥さんの沢=奥三ノ沢 なんちって。

やはり稜線歩きは良い。ヒルの気配なんて全くなし。
涼しい風が濡れたTシャツに心地良い。7月半ばとは思えない爽やかさ。

気が付くと水沢岳への登りのザレ場。
前回来た時はアシビに似た木に花が鈴生りになっていたが、今日はもう完全に落ちてしまった。
シャシャンボ説、ネジキ説とあるが、今日はその確認。幹はアシビ同様細かな立皺があり、杉同様左巻き。
葉っぱもアシビよりかなり柔らかめ。
これでも特定出来なきゃ実の出来る秋まで待つか。食べて大丈夫ならシャシャンボ、中毒を起こしたらネジキ。
それって誰が試すの?


11:00 a.m. 水沢岳山頂着。

再度燃料補給。


水沢岳の降りにかかる。いままで煩いほど鳴いていたエゾハルゼミがなりをひそめる。
そしてとうとうヒグラシの声。哀しげな声はすぐ止んでしまった。聞き違えかと聞き耳を立てているが、その後一向に鳴かない。暫く後にはまた特許許可局、ホーホケキョが姦しい。


11:25 a.m. 水沢峠着。

登り返しがきついがここさえ乗り切れば後はずっと降り。目指すはすっきり奥の沢。ヒルのヒの字も居ないに違いない。

11:50 a.m. 奥の沢分岐着。

思ったとおりすっきり爽やか。こんなに明るい谷も珍しい。


12:25 林道に降り立つ。

林道で小用。ふと肩を見ると尺取虫が。摘まんだ瞬間「ん? 尺取虫じゃない。」指先に吸い付いた虫を爪で弾き飛ばす。道路に落ちたものをしげしげと観察。どうみてもこりゃヒル君です。靴で踏み潰す。
どうやらまだ被害にはあっていないようだ。ああ良かった。しかしどこで付いたのだろう。なんだか疑心暗鬼。やはりこの辺りの夏には吸血鬼ヒルキュラが出没しているようだ。クワバラクワバラ。

13:00 車に帰着。
靴を脱ぎ再度ヒルチェック。よし大丈夫そう。と思ったのも束の間ズボンの裾に尺取虫。おいおいまたかよ。と摘まんでポイ。がアスファルトの上で直立し頭をもたげ振っている。これってヒルダンスじゃあ?
そして次に尺取運動。あ〜気色わりー。またまた草履で踏み擦る。踏んだだけじゃあ潰れない、死なない、この生命力。全くたいしたものです。

さあ、来週からホントどう致しましょ?

2009年07月11日23時15分00秒 記

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