爽やかHike

振り向けば御在所山頂から絶え間なくガスが吹き降ろしている。
青空を背景に白く濃いガスが吹き降ろす様は幻想的でもある。
そのガスに飲み込まれてゆく小さなゴンドラ。
またそこから逃げ延びて来る小さなゴンドラ。
爽やかな初夏の日の午後の一時、
御在所の神秘的な一面を垣間見てしまった。


20090606

6:35 a.m. 湯ノ山奥の駐車場着。今日も図ったように先週と同時刻。
しかし急ぐ必要は無かったようだ。先週同様どんよりとした天気で客足は少ない。
おもむろに仕度を始める。

7:00 a.m. でっぱつ。

降りそうで降らない今日の天気。片手に折畳み傘を持ち歩き始める。傘を持って歩くと絶対に降らない。御在所の神様はへそ曲がりである。その証拠に傘を仕舞うと必ず降りだす。
駐車場横の卯の花は今日あたりがピークか。

おもだった花も花期を過ぎ、初夏の花にはまだ早い。散り残った季節遅れの花には目もくれず足早に通り過ぎて行く。人間って飽きっぽいものですな。
若々しかった新緑もだんだんと落ち着きを取り戻し、周りの緑と馴染み始めている。
季節は既に6月。今月末はもう夏至である。夏至を過ぎればまた一日一日と日が短くなり始める。つい先日まで雪と戯れていたのにもう一年の半分が過ぎてしまい気忙しい。年寄りの一年はかくも短いものなのだ。ああ、また棺桶に一歩近付いてしまった。
曇天で何もする事がなく、ただくっちゃべりながら歩くのみ。写真も全く撮っていない。あっ、記事のアップの為になんでもいいから撮っとこう。

キレットを過ぎた辺りからは相変わらずサラサ、ベニの落下が道を覆っている。今年はよく咲いたなあ。

8:30 a.m. 気が付けば岩稜帯。この辺りまで来るとまだまだドウダンツツジの最盛期。今年はシロヤシオも見事だったがドウダンも花付きが見事。雨上がりで匂いが流されたおかげかサラサのあの生臭さは全くしない。今日は最高の好条件である。
コアジサイには未だ早いようで全く咲く気配がない。リョウブも蕾は大分膨らんでいる。今日の山頂付近はドウダンがメインかな?

この辺りアカヤシオやシロヤシオが多い所で、それらの木ばかりだと思っていたがとんでもない。ドウダンもいっぱいであった。

8:50 a.m. 富士見岩展望台着。新緑が綺麗。雨上がりの所為か一層色鮮やかに見える。

朝陽台へ。ここもドウダンが多い。そして異様なほどの花付きの良さ。

遊歩道を行く。アルビノサラサは? わっ、これも凄い花付き。

注:冗談でアルビノと言っているだけです。本来植物にアルビノは存在しません。クロロフィルまでも無かったら光合成が出来ず生体維持が出来ません。

9:40 a.m. 望湖台着。
あちこち中腹の山肌に白い花が咲いている木が見える。かなりの花の量だ。シロヤシオかと思ったが、鎌山頂付近のシロヤシオでさえ今日はもう落ちてしまっている。高度的にシロヤシオではない。タンナサワフタギだろうと言う事で落ち着く。

記念碑広場のタテヤマリンドウは見事に姿を消してしまった。代わりにドウダンの乱れ咲き。

峠道入り口でタンナサワフタギ。あの白かったのはやはりこれかな。でもあれほど白くなるものかな? まるでナンジャモンジャのように木全体が真っ白だったが。

峠道を降る。本当にベニ、サラサともに異常なほど咲いている。

武平峠から鎌へ。御在所では時々パラついていた雨も上がり薄日が射し始めた。半袖Tシャツが涼しくてちょうど良い。こちら側もサラサ、ベニの大饗宴。

11:00 a.m. 展望岩で小休止。
御在所山頂は濃いガスに覆われている。雨乞岳も然り。そんな中ヤマツツジのオレンジ色が殊の外鮮やか。ヤマツツジもかなり花付きが良い。ことしはツツジ類が大当たり。


11:30 a.m. 鎌山頂着。

こちらではツクバネウツギがまだ咲いている。サワフタギも。ん?祠の上の木もサラサだったのか。

拍手の後南側へ。こちらでランチタイム休憩。

休んでいると急に晴れ渡り陽射しが強い。たとえうす雲を通していても、季節は6月、初夏の陽射し。
かと思えば俄かにかき曇り、岳峠を滝雲のようにガスが流れ落ち始める。めまぐるしい天気だ。

12:25 でっぱつ。
ニゴリ谷の谷筋にも真っ白の木が多数みられる。近付いて確認したいがチョット遠すぎ。
降り始めて、あっ、8枚羽のタンナサワフタギ発見。

岳峠へ降ったところで生臭いサラサドウダンの悪臭。天気の回復に促されてまた新たに開花し始めているのかもしれない。観賞には良いがこの臭いだけはどうにも我慢ならん。逃げるようにその場を離れる。
笹トンを抜け白ハゲへ向かう。

13:10 ラピュータの木のある草原に出る。
多少肌寒いほどの爽やかな風が吹きぬけ爽快この上なし。
手前の方に一本、真っ白の木を発見。あちこちに咲いていたのはこの木に違いない。近付いて見るとタンナサワフタギよりあきらかに花の量が多い。Iさんはナントカガマズミだという。花弁よりも長く伸びたおしべの量が半端でなくまるで綿毛で覆われているようである。
「まるでナンジャモンジャだね。」と漏らしてしまう。職場近くの街路樹にヒトツバタゴ(ナンジャモンジャ)が植えられており、暫く前のその花の最盛期の様子を思い浮かべていた。
あちこちに目立っていたのはこの木に違いなさそうだが名前が特定できず【ナンジャモンジャもどき】と呼ぶ事にする。

ラピュータの木の傍にはタツナミソウが何匹もカマクビをもたげて威嚇するかのようにこちらを見ている。じゃあ睨めっこでもしましょうか。ハイ、チーズ。

クチバシを尖らせ禿げた頭に薄く毛の生えた姿はまるでダチョウのようでもある。薄紫のダチョウソウ!

13:30 犬星滝の前に降り立つ。
 

透過光に輝く新緑が眩しい。
天気もすっかり回復し、光が満ちあふれる谷降り。

谷の側壁にはイワタバコの葉がギッシリと密生している。これももうすぐ花の時期。
暫く降りショウキランが群生していた所へ。いつもの場所には見当たらなかったが道端に一本。こんなところで咲いていたら気付かず蹴飛ばされるか踏み潰されてしまう。それにこれが咲くのは決まって薄暗い所である。ギンリョウソウにしてもこれらの腐生植物は一生日陰の身である事を望んでいるようだ。他人に頼らなければ生きられないものってどこの世界でも日陰者なのか。

ん? 植物にアルビノは無いと言ったが、これら腐生植物というのはアルビノ種が獲得した生きる為のひとつの方法なのかもしれない。

最奥ダムが近付いてくるとシライトソウ。

そして今度はギンリョウソウ。先程ショウキランのひきあいに出したものだからそれに合わせ出張ってきたのかな。にしても如何にも幽霊草である。


14:20 出合着。
橋は流されたままで渡渉があたりまえになってしまった。水量が増えるとチト厄介そうである。
この下の堰堤にダム湖が出来ている。今日は暇にまかせ湖水巡りと洒落込む。三ツ口ダムの代わりにこちらで湖水を楽しむこととする。

ダムの下には搬送用の索道が谷を渡して掛けられている。ここまで来て見ないと解からないものだ。
そんな事から昔愛知川白滝谷出合に掛けられていた野猿(人力索道)を思い出す。最近は見かけた記憶が無いがあれも撤去されてしまったのだろうか。

振り向けば御在所山頂から絶え間なくガスが吹き降ろしている。青空を背景に白く濃いガスが吹き降ろす様は幻想的でもある。そのガスに飲み込まれてゆく小さなゴンドラ。またそこから逃げ延びて来る小さなゴンドラ。爽やかな初夏の日の午後の一時、御在所の神秘的な一面を垣間見てしまった。

白砂と碧水を楽しんだ後はもう一歩きで駐車場。
今日はかなりのんびりペース。天気が良いと道草も増える。

車道に出るとタラの木が目に付く。すっかり葉を広げている。この辺りのは誰も芽を摘まないようで、摘んだ傷口から涙を流しているのを見た事がない。
と思いきや、何を思ったかIさんが三番手四番手で出てきた小さな芽を摘んでいる。これだけでは少なすぎるが他の食材と一緒にテンプラにするそうだ。犬のションベンがかかっている事も充分考えられるのでよく洗ってね〜。
山菜採りなんてもう長い事やっていないなあ。昔は毎年4月5月となるとよくやったものだが。収穫が少ないとヨモギで量を稼いだものだ。(アクが強いですが高温で揚げるテンプラなら美味しく頂けます。)
その横にはコアジサイ。こんなところでお目にかかるとは。今年の初物なのでパチリ。


14:45 車に帰着。
片付けものを済ませふと見上げると、相変わらず御在所山頂からはガスが流れ落ちている。

凄く神秘的、幻想的。いつまで見てても飽きないな〜。とは言うもののもうこんな時刻。早く温泉へ向かわねば。

2009年06月07日15時20分00秒 記

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