名残り雪Hike

融け残った雪を擁した御在所は、
西に傾いた陽光の陰となり紫に煙っていた。
この雪も明日には消えてしまうのだろう。
今日一日しっかりと楽しませてくれた
名残り雪に感謝しながら温泉へ向かう。
イルカの【名残り雪】を口ずさみながら。


20090315

金曜土曜と大荒れの天気。土曜日に雑用を済ませ、今週の御在所は日曜出勤。
目覚ましの音と同時に隣のベッドからかみさんの声。「今日は家でおとなしくしていなさい。」おきているのかと思ったらどうやら寝言のようだ。抜き足差し足、見つからないように起き出す。
外へ出ると東の空が明るい。そうだ、後一週間足らずでお彼岸だ。その割りに今日は寒い。車に乗り込むと外気温表示は−0.5℃、窓もバリバリに凍っている。アイスレザーでシャリシャリと霜を掻き落としでっぱつ。直ぐフロントガラスが真っ白に曇る。ワイパーを動かしても取れない。「余程冷えてるんだなあ。」と独り言を言いながら空調を入れる。まだ水温は低いままだがフロントの曇りが消えてゆく。冷えていてもやはりお彼岸。真冬とはやはり違う。

道中鈴鹿の方を眺めると分厚い雲に覆われたまま。「ありゃま、今日はまだ曇りかな?」
湯ノ山の温泉街を過ぎ駐車場が近付くと雲が取れ始めた。後には真っ白に雪化粧した山肌。「ええっ、Lucky!」予期せぬプレゼントにもうウハウハ。あの雪の付き具合からするとかなり降ったようだ。

7:00 a.m. 湯ノ山最奥の駐車場着。

Tさんは既に到着済み。私も仕度を始める。
結構降ったようだが所詮名残り雪。今更必要なかろう。と言う事で今日も身軽に冬道具なし。

7:15 a.m. でっぱつ。

出だしは肌寒かったがすぐ汗まみれ。やはりお彼岸間近。Tさんの土産話を聞きながら行く。

地蔵岩付近のマンサクは、咲いたばかりなのに寒の戻りに凍えている。

尾根筋に出ると雪が多くなってくる。ズボンの裾に付くくらいの積雪。今年は雪が少なかったが3月半ばの名残り雪。嬉しくて嬉しくて…。


8:20 a.m. 北谷テラス着。
やっと蕾の先が割れ花弁が覗きかけたばかりなのに、この雪で氷付けになっている。可哀想なマンサクの蕾。


8:40 a.m. 岩稜帯通過。雪がしっかり付いて冬に逆戻りの様相。

曇っていた空も時折青空が覗く。雲脚が速く意外に早く雲がとれるかもしれない。

ガレ場付近まで来るといよいよ日が差し始めた。光り輝く一瞬を捉え霧氷を撮影。


9:00 a.m. 富士見岩展望台着。

朝陽台へ向かう。風の無い中で成長したのか針のように細長い霧氷が四方八方へ枝を伸ばしている。
海老の尻尾風のものと違い、如何にも鋭く冴え渡って見える。それが青空を背景に朝陽に輝いている。まるで光のるつぼの中にいるようだ。

遊歩道を望湖台へ。
この辺りは風があるのか、海老の尻尾風の霧氷。

ポカポカと暖かな陽射しに包まれながら行く。陽射しが強くもう融けはじめている。


9:40 a.m. 望湖台着。雨乞岳は未だ雲の中。

露岩に貼りついた海老の尻尾が綺麗だ。

記念碑広場から遊歩道へ。霧氷と笹原の緑、そして青空のコントラストが綺麗だ。これほどの美しさを披露してくれるのは年に一度あるかないかである。

峠道を降る。雪が残っているのは上の方だけだろうと思っていたらなかなか消えない。結局武平峠でも残っていた。この峠が雪雲の通り道になっていたのかもしれない。おかげで無精者のtanuoさんはズボンの裾が雪まみれ。
10:20 a.m. 武平峠着。小休止。
鎌への登りも相変わらず雪が残っている。
振り返ると御在所はすっかり雲が取れ、暖かな陽射しに包まれている。
雨乞岳も姿を現し始めた。


10:50 a.m. 展望岩着。

気温はかなり上がっているようだ。新雪が湿気を含んでいる。(ズボンがよく濡れる)


11:15 a.m. 鎌ヶ岳山頂着。

祠に拍手の後、南側へ。

風も無くポカポカと暖かい。山頂にて大休止。お湯を沸かしてどんべえ天ぷらうどんを頂く。
Tさんも今日はガスボンベを新品に替えてきたそうだ。ゴーッという元気な音が辺りに鳴り響く。

11:50 a.m. でっぱつ。
降りは日当たりの良い白ハゲの尾根から。
頂上直下の先週やっと咲きかけたマンサクもこの雪に凍えている。
樹枝から降ってくる雪の雫に濡れながら岳峠へ。

岳峠から尾根までのトラバース道は笹が被っている。濡れるのが嫌な我々はそのまま尾根へ。尾根通しの道を降ることにする。その前に鎌の勇姿をパチリ

ところがここも木の枝に付いた雪が解け始めボタボタと降ってくる。首筋から背中に入った雪の塊がいつまでも解けずに残っている。あ〜、冷たいったらありゃしない。

12:15 白ハゲ通過。さすがにこの辺りまで来ると雪は消えている。といっても北斜面はまだ真っ白。

草原状のところから潅木帯に入ったところにもマンサクの木がある。ここも折角開きかけたのに水を注されたようだ。


12:35 長石谷へ降り立つ。正面の犬星滝は先週同様大きな音を立てている。当然水量も多い。
その手前、長石谷本流の流れも水量が多いがどこと無く春の暖かさを漂わせている。高度も下がった所為か合羽を着たままでは暑い。と言いながら脱ごうとしないグータラさ。


13:10 三滝川本流着。(橋が流されたところ)
流れを渡り、ついでに靴の汚れを洗い流す。温んだ流れが如何にも春らしい。
ところが谷越しに御在所に目を遣ると、なんとまだ山肌には融け残った雪が。流石に山頂付近の霧氷は落ちてしまったようだが。


13:25 車に帰着。
融け残った雪を擁した御在所は、西に傾いた陽光の陰となり紫に煙っていた。

この雪も明日には消えてしまうのだろう。
今日一日しっかりと楽しませてくれた名残り雪に感謝しながら温泉へ向かう。イルカの【名残り雪】を口ずさみながら。
今春が来て君は綺麗になった〜、去年よりずっと綺麗になった〜♪


2009年03月16日21時00分00秒 記

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