歩き初めHike

ん? チョット待て!
こんなに頂いてばかりだとメタボ予防に来た意味が無いではないか。
なんて思いながらも誘惑には勝てず美味しく頂いてしまった。
「夕飯を減らそっと。」
陽だまりのランチサイト。
カフェテラス峠道、なんちゃって。
これだから御在所通勤は止められません。


20090110

先週3日は誘惑に駆られ浮気(スキー)をしてしまった。
結局今日10日が歩き初めです。例年になく今年は出足が遅いです。
年末は予期せぬドカ雪の中、冬支度もせずに出かける始末。そしてラッセル時はTさんのツルハシを借りて雪掻き。あまりにもチャランポラン過ぎるので、夕べは忘れずに倉庫から三点セットを出しておきました。出したまま持って行くのを忘れる懼れも充分にあります。それほどまでにtanuoさんはボンクラなのです。そうならないよう車のトランクに放り込んでおきました。何もかも車に放り込んで置くのが最良の方法なのです。
当然金属部分など錆び錆びのまっ赤っか。なあに、通の道具はそうしたものです。←ウソウソ

未明、無情の目覚ましが…。ベルを止めてもう一度布団の中に潜り込む。が、丸まった体の中心に何か異物を感じる。これって正月の間に備蓄したメタボ脂肪? おぞましいものを触ってしまった。無様な体型の未来の己が姿が脳裏に浮かぶ…。その瞬間意を決して布団を跳ね除けていた。

外はまだ小雨が残っていた。当然気温は高い。お山は霙かベタ雪か。今日も傘差しHikeかな?

6:55 a.m. 湯ノ山最奥駐車場着。今日はまだ一台の車も居ない。やったー、一番乗り。途中の道路の様子で充分に解かる事ですが。
駐車場の雪も年末ほど積もっておらず奥の方に停める。
雨は降っていないが山頂付近はガスの中。外気温は−0.5℃。降るとしても霙か湿雪。それじゃあ身支度を整えてからのでっぱつとしよう。狭い車の中で合羽上下、スパッツを着ける。
モタモタやっている内に、1台2台とやって来るが、その中に常連さんの車は無い。
トランクに放り込んだ冬道具をザックに付けようと車外に出たところ、隣の車から年賀の挨拶。なんだ、Iさん車を替えたのか。半年ぶりに御一緒する。

7:25 a.m. でっぱつ。

やはり気温が高く暫く歩くだけで汗ばんでくる。脱ぐと寒いし着てると暑い。ホント鈴鹿はウエアの選択が難しい。
年末(27日)に比べ雪が少なく歩き易い。歩き易さとは裏腹に暑さは限界に達し、オバレ石で合羽の上を脱ぐ。尾根に出ればすぐ寒くなる事は明白だが、今のこの暑さが我慢できないのである。ホント鈴鹿はウエアの調整が難しい。
曇っていた空も時折薄日が射す。雲脚が速く天気は回復傾向? いや、Iさんの話では大荒れの予想が出ているとか。こんな日でも来るのは私くらいだとか仰る。いえいえ本人は天気予報も見ていないただの脳天気なだけです。
尾根に出ると流石に風が強く寒い。でも雪も降ってないし、もう暫く痩せ我慢で行く。
風が強くて足元が覚束ない。あっちへフラフラ、こっちへヨタヨタ。あちこちで規模は小さいが綺麗なシュカブラができている。下とは違いかなり冷えているようだ。
キレットまで来ると飛ばされそうなくらいの風。こりゃ堪らん、フェイスを避け南側の凹角から降りる。
キレットを過ぎると風の陰になりピタッと風が治まる。振り返ると岩場に付着した氷雪が綺麗。Iさん夫妻はフェイスを降りてくる。台風並みの風の中、よくやりますなあ。
岩場の無機質な美しさとその悪場を果敢に降りてくる勇姿を撮ろうとカメラを出すがエラー表示と同時に動かなくなってしまった。バッテリーの残量減に加え低温による起電力低下が重なったもののようだ。張り出した鏡胴が納まらずカメラケースに仕舞う事もできない。バッテリーを外し手で暖めるが効果なし。その内降りてきたIさんがホッカイロを貸してくれた。暫くそれで暖めやっと鏡胴が収納出来た。バッテリーの回復を願い、その後は胸ポケットに入れておく。でも今日は写真なしのレポートになるかもしれないなあ。都度充電しておけば良いものを、なにかにつけグータラなtanuoさんなのである。

北谷テラスに出るとここも立っていられない程の強風。岩に乗った瞬間風に押し戻されヨロヨロッ。お年寄丸出しですなあ。
こんな中Iさんのカメラ(バッテリー)は元気溌剌。私も胸ポケットで暖めていたバッテリーをカメラにセットし電源ON。が、ウンともスンとも言わない。うちのバッテリーにもオロナミンCを飲ませてやりたいわ。てなわけで写真無し。ハライドに薄日が射し、えもいわれぬ荘厳さであったが…。
この先は暫く掘割の中。風の陰でまるで天国。年末に付けたトレースは完全に埋まっているがおおよそ見当はつく。ツルハシで確認しながらその跡を辿る。そこを外すと奈落の底へ落ち込んでしまう。
ツルハシは伊達の道具ではありません。常に3本足歩行になると同時に、鋭敏な触覚、バランスを取るためのアーム等々雪道歩きには欠かせない道具です。鈴鹿辺りでは、悪場でのアンカー、コンテ時の確保、滑落停止といった本来の使い方より杖(第三の手足)といった使い方の方が適っているように思います。
新雪を楽しんでいると後からクレーム。独り占めするなとIさんご立腹。はいはい譲りますよ〜。
掘割のドンツキにはエルガーフェイス。(勝手に命名しちゃいました。)小雪の舞う中、今日はいつもより一層堂々と聳え立っている。
そしてやはりこの写真も無し。
岩稜帯を過ぎ、テラスから上の吹き溜まり、トップは七転八倒雪まみれ。ああ楽しそう、苦しそう。
そして直下のガレ。試しに撮ってみると、あっ撮影出来ました。撮った後はまたバッテリーを胸ポケットへ。

ここまで2時間。割と良いペースで来ている。駐車場にはそこそこの人がいたが誰も追い着いてこない。どこへ行ったんだろ?
最後の登り、一瞬ガスが切れ青空が覗く。陽が射すと樹枝に付着した霧氷が輝く。青空をバックに凄いコントラスト。あまりの眩しさに目が開けていられない。それもその筈、今日はサングラスをじゃなかった。一瞬にせよこんな景色が拝めるとは予想だにしていなかった。やはり来て見るもんですね〜。
朝陽台ではロープウェイ従業員が除雪作業中。強風でまだロープウェイは動いていないがその間に作業を済ませるのだろう。
我々は望湖台へ。
思った通り望湖台では視界なし。やはり台風並みの強風で立っておれない。フラフラヨタヨタtanuoさん。
雪で出来た尾根上のシュカブラを踏み崩しながら行く。オマタまで潜りながら…。
そのまま記念碑広場へ。そこから雪で埋まった笹原斜面を駆け下りる。やっぱり雪はええなあ。
降りは武平峠から。スカイラインの土砂崩れで武平から上がってくる人はいないだろう。トレースは無いがこの程度の雪なら大丈夫だろう。
体力の温存を図るべく今日はチロリン村から。ほんの少しの距離ですが。
峠道の尾根に出る。思った通りしっかりと雪が付いている。天気も回復し時折強烈な陽が射す。暖かな陽射しの中、時々身動きが出来ないほど落ち込みながら雪の中を擦り落ちてゆく。ヘロヘロになりながらもやはり雪は楽しい。いい年のジジババが3人、嬉々と声を上げながらはしゃぎまわる姿! こんなもん若い人達には見せられたもんじゃありませんなあ。
気温上昇に伴いバッテリーも復活。この明るい雪景色。ここぞとばかりにかため撮り。


11:10 a.m. かなり降った所で大休止。
日当たり良し、風無しで場所も広い。今日あたりこんな所へ来る人もいないだろう。という事で道のど真ん中を占拠し店を広げる。バーナーを出しお湯を沸かし始める。
お日様ポカポカ日向ぼっこ。ひとりだとうっかり居眠りしてしまいそうな陽気だ。
Iさんがカップでなにやら暖めている。それをシェラカップに取り私に勧めてくれる。口に近付けると馨しい芳香。「直燗ですか。」お屠蘇代わりのお神酒である。空腹と水分不足の身体中に染み渡って行く。こんな所で熱燗を頂けるなんて、こいつは春から縁起が良いわい。
藤田屋のおおあんまき(これもIさんから頂いた)をつまみに美酒を頂く。
考えてみると山で日本酒なんて本当に久しぶりだ。tanuoの日記の方でも記した事があるが日本酒は凍り易い。大抵はアルコール度数の高いウイスキーか安物のブランデーである。それをお湯で割って飲むのが普通だった。
当時の定番というとサントリーレッド。720ml瓶が500円だった。少し贅沢をするとホワイト。こちらは1000円くらいだったかな。先輩の中にはトリス党がいたが、流石にトリスだけは不味くて飲めなかった。確か340円だったように思う。160円の差なら間違いなくレッドを選ぶ。ブランディーはVSOPなんて高嶺の花。VSOでも手が届かず専らVO。この辺りになるとブランディー特有の芳香は無く安物ウイスキーのようにただ舌を刺すだけ。それでも要は早く酔払って早く眠りに就ければ良かったのである。深夜に目覚め、明方までの寒さとの戦いに備える為に。
自宅でもいつもレッドばかりを飲んでいた。当時取っ手の付いた2L瓶があり、アルコール単価としては極端に安かった。ビールなんて4.5%しかなく、とてつもなく高価なものだった。しかし夏の暑さに参った身体にはこの喉越しの良さはえもいわれぬ快感で夏場限定の贅沢として味わっていた。
人間という奴は本能的に酩酊が好きなようである。開発途上国ではアルコールなんて超高級品で一般庶民が口にできるものではない。安価に酩酊を味わう手段として大麻などが栽培されているが、地元の人々にとっては欠く事のできない必需品である。経済的に豊かな国の論理として麻薬撲滅などを訴えても無理がある。それ以前に途上国の貧困の緩和と生活レベルの向上を進めなければ全く意味を為さない。
私だって生活が豊かであったなら工業用アルコールで作られた安物ウイスキーなぞ飲まずに済んだのである。
アルコールの代用品という事で思い出した事がある。当時ネパールなどでは【ハッシシ】がよく愛用されていた。何かの植物の汁液を煮詰めたものだと思うが、こげ茶色の固体で独特の芳香があり、少量を指で揉んで粉にし、それを煙草の葉に混ぜて再度紙で巻き直す。これを紙巻煙草と同様にして煙を吸うのである。この煙がまた強烈な香りで、それを知っている者なら4‐5軒先からでも【ハッシシ】と解かる代物である。
誰かが偶然持ち帰った【ハッシシ】が見つかり試しに皆で吸った事がある。パーカーのポケットに穴が開いており裏地との間に入り込んでいたらしい。面白半分でやった事だが既に時効も成立している事でもあり事を荒立てないで頂きたい。昨年末、大学生が大麻を栽培し仲間に売りさばいていたとニューズがあったが、そんな悪質なものではない。現地の人達にとっては生活の一部であり、その人達との生活を共有するという文化交流の結果の出来事である。
【ハッシシ】の特徴として、意識は凄くはっきりしている。ただ身体の反応は極端に悪くなる。周りの状況がはっきり見えていながら全く身体の動きが付いて行かない。というものだ。こんなもの吸って車なぞ運転すれば即大事故に繋がってしまう。如何にも生活リズムのゆったりとした途上国に合った酩酊手段である。

ワーオ、えらい脱線をしてしまった。
Iさんから頂いた燗酒を味わいながら、ついこんなしょうもない事を思い出していたのである。若い頃は本当におバカな事ばかりやっていたんだなあ。反省!
どんべいべっぴんうどんを食べていると今度はぜんざいを薦められた。遠慮なくこれも頂く。
ん? チョット待て! こんなに頂いてばかりだとメタボ予防に来た意味が無いではないか。なんて思いながらも誘惑には勝てず美味しく頂いてしまった。「夕飯を減らそっと。」
陽だまりのランチサイト。カフェテラス峠道、なんちゃって。これだから御在所通勤は止められません。
Netの記事を見ていると食事をする為に山歩きをしている方々がいらっしゃいますが、私もだんだんその味をしめて行くような…。うん、多様性を認める事は大切です。

12:00 でっぱつ。
すっかり良くなった青空の下、武平峠を目指し一気に降る。
陽に輝く雪景色が眩しい。グラサン無しが悔やまれる。目が開けていられないほど光輝いている。


12:10 武平峠通過。
鎌の方へ少し登りそこから一気に滑り降りる。…つもりが全く滑らない。なんちゅう雪だ。七転八倒雪まみれになりながら擦り落ちてゆく。滑らないけど、ああ愉快愉快。

スカイラインに出てからは古い踏跡あり。多少は歩き易かろうとこれを辿る。ショートカットルートではまたまた雪まみれ。そうそう休憩の後交換したハンガロが暖かい。多少染みてもさすがハンガロ。流石は往年の山の定番。濡れても着脱が凄く楽なんですね。やはり年寄りには長年慣れ親しんだものが最高です。

土砂崩れの下はスカイラインが川になり水が流れている。ルートは水! 水漏れしない靴って良いなあ。(しないのがあたりまえ。あんたの夏靴が異常なんでしょ。)
晴天かと思えば俄かに掻き曇り霰が降ってきたり、また晴れたかと思えば今度は牡丹雪。めまぐるしく変わるスカイラインの天気。


13:35 車に帰着。
さあ、今年初めての湯ノ山温泉。しばれた手足を解凍しましょ。


2009年01月11日14時35分00秒 記

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