晩秋Hike

やがて山道は稜線上に移り、溢れるほどの陽光を全身に浴びながらの歩行となる。
少々小寒いがやはり小春日和と言って差し支えないだろう。
小春日和の日溜まりHike。私が最も好きなシチュエーションだ。
笹が消え落葉の上を行く。
湿っていた落葉もこの辺りまで来るとすっかり乾き、
カサコソ、カサコソと乾いた音だけが辺りに響いている。


20081129

車に乗り込む。DIS表示は2.5℃。暖かい筈だ。とは言ってもやはり寒い。暖房が恋しい季節だ。
今朝はトラックが多かったわりに思ったより早く着きそう。
さて今日のメニューは? 紅葉も里まで降りてしまい、山は冬枯れの季節。
天気も良い事だし雲母峰まで足を延ばすか。稲森谷辺りはまだ紅葉が残っているかもしれないし。

6:50 a.m. 旧料金所跡駐車場着。先週より車が少ない。季節柄人出も少なくなっているのだろう。もう11月も末、明後日は12月である。
車の外で足の仕度。そう、今日から冬靴。これで湿雪の中を歩き回っても濡れる事は無い。が、この暖かさ、もう先週の雪なぞ残っていないだろう。

7:05 a.m. でっぱつ。
駐車場横には名残りの紅葉。暖かさが戻り散り残っているようだ。

この冬靴、足入れの楽さもさることながら、夏靴より軽くフリクションも良く効く。足首の自由度が高く、また軽いことも手伝っているのだろう。やはりクレッターに近い。ビブラムのままで登るなら今の夏靴より岩登りも楽そうである。
今の夏靴としているマインドルもれっきとした冬靴仕様である。しっかりした裏出革でホールド感も高く、今冬靴としているヌバック革のハンワグより余程冬靴らしい。
昔から皆がやっていたように、古くなり傷みが酷く冬靴として機能しなくなったものを夏靴としているだけの事である。そんな訳でアイゼン着けて登るのなら兎も角、クレッター然とした軽量かつ足首の自由度の高いものと比べるとグレードにして1級ほどのハンディを課しているようなものである。
この冬靴(ハンワグ)を夏用に下ろして、新たに冬靴を調達したいところだが懐具合がそれを許さない。ああ、来年もあの水漏れするマインドルの夏靴を履き続けるのだろうなあ。
こうしてみると、山靴も子供達のスキーの板のようなものだ。子供達の板も新しく買うのはリーゼン用の長いもの。古くなったリーゼン用の板はスラローム用に下ろす。一年経てば身長も伸び、リーゼン用だったものがスラローム用として振り回すのに丁度良い長さになっているのである。
如何にバブルの頃とは言え、毎年毎年よく買っていたものである。板に限らず何もかもである。それに比べると負担はずっと軽くなった筈なのだが…。
しょうもない事を考えていたらもう尾根筋に出ていた。気温はそこそこ低いようだが風が無く火照った身体には丁度良い。

7:50 a.m. キレット着。
立ち止まるとやはり寒い。陽射しは強いが小春日和と言うにはチト寒い。


8:05 a.m. 北谷テラス着。


8:20 a.m. 岩稜帯着。
ピーカンの青空の下、正面に威風堂々たるフェイスが立ちはだかっている。

突然SEAMOのContinue が頭の中で鳴り響く。いや、やはりエルガーの威風堂々の方がこの岩には合っている。それも当然オーケストラである。
…車の中では相変わらずSEAMOのContinueが流れ続けており食傷気味ですが最近は本人がラジオ出演もしており、話を聞いていると若いミュージシャンにありがちな尖んがった所なぞ全く無く至って謙虚且つ音楽に対し凄く真摯です。私も耳慣れないものを毛嫌いするばかりでなくもっと素直な気持ちで聴く努力をしなければ。

8:25 a.m. 上部テラスに出た所でシロヤシオの枝が掃われているのを発見。
先週、樹幹流の事について記したばかりなのに早速見てしまった。まあ根元から切り倒されてなかっただけマシか。そう邪魔になる訳でもないだろうに…。


8:35 a.m. 富士見岩展望台着。
ホント滅茶苦茶良い天気。


8:40 a.m. 朝陽台着。遊歩道を行く。
登りがなくなると急に冷えてくる。かもしかセンター前で日向ぼっこついでにジャケットでも出そう。

ポカポカ日溜まり冬日和。
自家製ミカンで喉を潤し武平へ向けてでっぱつ。

9:25 a.m. 武平峠通過。


9:50 a.m. 展望岩通過。


10:15 a.m. 鎌ヶ岳山頂着。

祠に拍手の後、山頂の日溜まりで大休止。今日のメニューはどんべい天ぷらうどん。やはり寒い時期はこれが一番。

10:50 a.m. しっかり寛いだ後、岳峠へ。


ん? 岳峠の笹トンがまだ濡れている。ちゃっぷい、ちゃっぷい。

白ハゲを過ぎ、馬の背への分岐を雲母峰側へ折れる。濡れた落ち葉がよく滑る。濡れ落葉とはかくも鬱陶しいものなのか。ギクッ、tanuoさんも濡れ落葉なのである。

昔の地図上の白ハゲの辺りまで降りてくると紅葉がまだ残っている。乾燥した笹も光り輝き陽光を精一杯浴びているようである。この時期植物にとって太陽が恋しい時期である。私自身も笹同様日の光が恋しく思われる。まるで太古のDNAの記憶が甦ったかのようである。

尾根の北斜面に沿って行くようになると急に冷えてくる。小春日和と云うには寒すぎる。
この暗い翳の向こうには有り余る程の陽光に輝く御在所がドンと聳えており、このコントラストがまた綺麗だ。

やがて山道は稜線上に移り溢れるほどの陽光を全身に浴びながらの歩行となる。少々小寒いがやはり小春日和と言って差し支えないだろう。小春日和の日溜まりHike。私が最も好きなシチュエーションだ。
笹が消え落葉の上を行く。湿っていた落葉もこの辺りまで来るとすっかり乾き、カサコソ、カサコソと乾いた音だけが辺りに響いている。
山頂が近付くと乾いた落ち葉も無くなり青々とした苔の回廊と化す。いつからこんなに苔生したのだろう。


12:20 a.m. 雲母峰山頂着。

小休止の後、来た道を退き返す。稲森谷の分岐まで戻り、稲森谷へ。
途中足を滑らせ足をドボン。それでも上からさえ入らなければ靴の中は絶対に濡れない。さすが冬靴。いや水漏れする靴の方が異常なんだって。
まあこの靴なら少々水の中を歩こうが屁の河童。漏れない靴っていいなあ。

13:25 二股着。

ここまでくればもう堰堤の砂場は目と鼻の先。
その先には大きなウツボクサの実。レッドコーンなんちゃって。

明るく開けた谷を行く。

堰堤の砂場を過ぎ東海自然歩道を行く。階段のアップダウンがしんどいが、橋が出来て昔の辛さは無い。
この辺りまで降りてくると燃えるような楓の紅葉があちこちで見られる。

湯ノ山が近付くと潜門の滝。

その下でも目を見張るような黄葉や燃えるような紅葉。


14:10 温泉街まで辿り着く。
寄る年波には敵いません。川の中を行く元気もなく裏道を縫って駐車地まで。
温泉街は今が紅葉シーズン最盛期。たっぷり堪能しながら行く。


14:45 車に帰着。
へ〜、ヘロヘロですわ。さあさっさと片付けて温泉温泉。
しかし綺麗だったなあ。今日は予期せぬ紅葉におおもうけ。


2008年11月29日20時23分50秒 記

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