宮妻ぐるっと左巻き

水沢峠に向けて降り始めると急に暖かくなる。
風が遮られ、南垂れの日当たりの良さの為か暑いくらいだ。
あまりの陽気の良さにイワカガミまでが狂い咲き。


20081101

先週通行止めだった湯ノ山への道、今日は通れるようになったのだろうか。
君子危うきに近寄らず。他へ転戦、と言っても小岐須は駐車場へ入れないし。そうだ宮妻峡にしよう。
鈴鹿の山並みに掛かっていた雲も薄くはなったがまだ雨が上がったばかりだろう。こんな状態で入道へなぞ行こうものなら濡れた笹でズボンがベタベタになってしまう。
じゃあ先に鎌へでも行くか。午後になれば入道の笹もしっかり乾いている事だろう。
という事で今日は左回り。

7:00 a.m. 宮妻峡駐車場着。
先ずはキャンプ場へ降りて行き、朝のお勤め。ロール紙常設でサービス満点。

7:20 a.m. でっぱつ。

駐車場横にはもう山茶花が咲いている。
山茶花、山茶花咲いた道〜。
垣根の、垣根の曲がり角〜。
否、
お肌の、お肌の、曲がり角〜、
手入れだ、保湿だ、コラーゲン。
通おうか、通おうよ、
エステだ、ジムだ、忙しい。
などとバカな歌を歌いながら行く。
世の奥方はそうやって経済活性化の為にお金を遣っている。反してうちのかみさんは全く遣わないな〜。
栄養成分なぞ皮膚からは殆ど吸収されない事は科学的に証明されているにも拘らず、相も変わらず美容業界は盛況のようだ。
医食同源、美容も例外ではない。身体に良いものを美味しくいただいて、それが結果的に健康と美容に繋がるのである。かみさんもまたプラグマティックな考え方の持ち主だったのだ。
独りだとこんなしょうもない事に思いを巡らせながら歩いている。これもまた愉しからずや。

チラホラと紅葉が散見できる。そうだ、今日は奥の谷から降りてしまうのも良いかな? 昨年偶然発見した奥の谷の紅葉の美しさ。あれ以来私のお気に入りリストの上位を占めている。

カズラ谷の道は陽が射し込まず暗い。長袖を着ていても薄ら寒い。11月だからあたりまえか。
毎春初物のイワカガミが咲く所辺りからやっと薄日が差し始める。

雲母への分岐には枯れ枝でトウセンボがしてある。そして看板も外されていた。
御在所通いを再開した頃、ここを通った事がある。結局途中で道が消え、笹薮を漕ぎながら雲母への稜線に這い上がったのだった。
御在所に明け暮れていた現役時代に比べ、今まで歩いていないところを歩くようになった。これはこれで結構面白いものだ。山の愉しみ方の幅が広がったかな? ナンチャッテ。
それこそハードさには欠けるが、知らない事を体験する「日常生活の冒険」のようなところが興味深い。安全圏からはみ出す事なく新たな発見がある。

8:10 a.m. 水場着。しょうもない事に思いを巡らせているとあっちゅうまに着いてしまう。

ここからは暫く急登が続く。と伴に稜線が近付き周りも一段と明るくなる。明るい筈だ。樹相が変わり植林の針葉樹から自然林の広葉樹へ。そして黄葉がかなり進んでいる。

傾斜が落ち尾根上の道になると水沢岳などの主稜線が望めるようになる。
「わっ、綺麗綺麗。」思わず声が出てしまう。

雲が多く一瞬陽が射したかと思うとすぐまた雲ってしまう。陽が射すのを待っていたら時間ばかりが過ぎてゆく。

8:45 a.m. 雲母分岐通過。長石尾根の向こうに御在所。この辺り、紅葉真っ盛り。

尾根をまたぎ、ベタベタに濡れた笹トンを抜けると岳峠。
ビュービューと風が強い。思わずブルブルッ。しかしこれはまだ寒太郎(雪を運んでくる北風)ではない。これは紋次郎(木枯し)だ。こんな比喩は相当の年配でないと解からないだろうなあ。


9:10 a.m. 鎌ヶ岳山頂着。
祠に拍手の後、北側へ行き御在所とご対面。雲が多く今ひとつパッとしない。当然雨乞岳は雲隠れ。

南面へ戻る。陽は射しているが紋次郎が寒い。お昼には早過ぎるしこんな吹き曝しの中で休む気も無い。紅葉だけカメラに収め、早々に退却。

鎌尾根を行く。光線を求め時間待ちをしていると身体が冷えてしまう。絶え間なく吹き付ける紋次郎に手までかじかんでくる。


10:00 a.m.「寒くて堪らん。」衝立岩の手前、風の陰で大休止。丁度お腹も空いてきたし、少々早いがお昼にしよう。

ジャケットを羽織り、お湯を沸かす。今日は久々の【どんべい天ぷらうどん】。
そう言えば今日はまだ何も口にしてなかった。朝からお腹がもたれ、コンビニで買ったオニギリも食べてなかったんだ。適度の運動のおかげでお腹も空いたし、やはり人間は動物である。動く事により代謝が盛んになり健康に繋がるのである。
寒い中でも身体の芯から暖まり、私ゃ極楽極楽。
燃料も充填した事だし、そろそろでっぱつ。

相変わらず風が強いが日が当たると暖かい。のんびりテクテク日溜まりHike。


11:15 a.m. 水沢岳山頂通過。これから暫くは鎌の勇姿とはお別れ。代わりにイワクラ尾根が近付いてくる。

水沢峠に向けて降り始めると急に暖かくなる。風が遮られ、南垂れの日当たりの良さの為か暑いくらいだ。
あまりの陽気の良さにイワカガミまでが狂い咲き。


11:30 a.m. 水沢峠通過。紅葉の落ち葉の道を行く。さしずめイエロー・カーペット・ロード。

日溜まりの暖かさと額の汗を拭い去る稜線の風。秋ならではの絶妙のシチュエーション。


11:45 a.m. イワクラ尾根分岐を折れる。

暫く行くとまた鎌と再会。そして辺りは紅葉のシャワー。


12:00 奥の谷分岐。奥の谷はまだ紅葉には早すぎた。楽しみは次に取っておき入道へ向かう。

紅葉の稜線漫歩。お日様ポカポカ日溜まりHike。

のんびり歩いていたらもう入道への登り。崖の下に輝く紅葉が一際目を引く。


12:45 入道奥宮着。
ここの日溜まりで小休止兼燃料補給しようと思っていたら、大勢の人。ヒモの結び方教室を開いている。人が通るど真ん中で迷惑な事だ。あっ、そうか。風の当たらないこの日溜まりは誰にとっても有難い場所。皆さん考える事は同じようです。
結局あてが外れそのまま鳥居の方へ。エサは下へ降りてからにしましょ。


入道新道を下る。
この急な笹原を降れば後は樹林帯。ここが鎌の見納め地点。

いい加減膝がカクカクし始めた頃やっと宮妻峡に降り立つ。


13:50 車に帰着。
午前中は曇り勝ちだった空も帰る頃には真っ青の晴天。

さあ、ひとっ走りで湯ノ山。温泉入って今日の締め括り。


2008年11月02日09時40分00秒 記

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