秋日和Hike

かみさんはここで親分達と宴会をした事があったと聞いている。
あの時一緒だったO氏も既に亡くなったと聞いた。
親分もそうだし皆結構早死にしているんだなあ。
いつまでも老害を撒き散らし、
生き恥を曝しているのは俺だけか。


20081004

久しぶりにOさんから情報を貰った。
本谷ではダイモンジソウが花盛りだそうな。そうと聞けば行かない訳にはいかない。
おまけに希少種のウメバチソウも咲いているとか。どんな花なのか偵察も兼ねて行かねばなるまい。暇人のtanuoさんも結構忙しいのである。(ウソウソ)

6:45 a.m. 湯ノ山最奥駐車場着。
混むであろう事を予想して今日は若干早く家を出た。そのおかげで少々早くは着いたが皆考える事は同じ。既に満車に近い。向きを変えて正面奥にケツから突っ込む。
仕度を終えそろそろでっぱつ。というところで見知らぬ車がやってきて声をかけられた。Tさんが代車でやってきたのだった。ダイモンジソウ目当てで御一緒する。

6:55 a.m. でっぱつ。
すっかり秋らしい気候で半袖Tシャツではちと寒い。

巻き道から谷に降りる。沢の様子が一変している。
砂や小振りの石が綺麗に洗い流され、いやにすっきりしている。先日の三ツ口谷と同じ雰囲気だ。そしてやはりヤスリをかけたように岩盤に付着していた苔類がきれいさっぱり削り取られている。

「こんなんでダイモンジソウ、残っているのかなあ?」などと考えながら暫く行くとTさんが第一号発見。
モロに流れの真っ只中だったろうと思われる所だが、段になった真下であり激しい流れはその上を跳び越していったものと思われる。そういう所を選んで根付いたものなのかどうかは定かでないが、どうもDNAの所業は何かしらの意思をもっている気配を感じさせる。
そして皆小振りながらあちこちに点在して、どの株も可憐な花を付けている。

何年か前、Uさんと来た時に見た、あれほどの大群落は流石に流されてしまったようだ。直径1m以上の塊となって3cmほどもあろうかという花がぎっしりと咲き乱れていた。一見ダイモンジソウではないかのような大群落があちこちにあった。
もう二度とあれほどのものにはお目にかかれないだろうなあ。

7:20 a.m. 不動滝着。

雨上がりの所為か滝がかかっている。普段涸れたままのものを滝と呼ぶのもおかしなものなのだが。
さいわいチョックストーンは落ちていない。しかし手前の様子はガラッと変わっている。いつも上で休憩していた大岩が姿を消してしまった。その奥の大岩は健在だが半分土石に埋まっている。
不動滝を巻き谷に降りると、また大きく様子が変わっている。予期せぬ所に大きな岩が立ちはだかり、あった筈の大岩が姿を消している。
こんなに様子が変わると返って新鮮である。いつものままだと知らず知らず足を置く位置、掴まる手掛かりが決まってしまい、他事を考えながらボーと歩いている。それが今日はまるで別の所へ来たような雰囲気でついワクワクしてしまう。これが本来の山歩きの姿なのだが…。

障害を乗り越えふと上を見上げる。サンドブラスト処理済みの岩盤の上に本谷の大岩。ルートファインディングを楽しみながら行く。

この辺りから一段とダイモンジソウも増えてくる。綺麗どころを選り好みしながらパチパチ。

大岩を越えるとまた景色が新鮮。真正面の枝沢の方が立派に見える。右手の本沢より河床も低く感じる。
枝沢と本沢は通常河床の低さで決めているという。しかしこれほどいい加減なものはない。本流より枝沢の方が河床が低い所なぞどこにでもある。川幅の広さについてもいい加減である。これも本流の方が狭い所なんてゴマンとある。正面の岩には右へ行くように真新しいペンキ矢印。親切な人が多いですなあ。
土石で埋まり凹凸が無くなり返って歩き易い。小滝の傍にはダイモンジソウが点在。

Tさんの話では荒れているのはこの辺りまでで大黒滝から上は変わりなしだとか。もしかすると大群落にお目にかかれるかも。
最後の小滝の真下には粒揃いの大輪がいっぱい。但し、足場が悪く濡れを気にして近付くのはパス。


7:55 a.m. 大黒滝着。

大黒滝を巻き、樋状滝の巻き道から鷹見岩を望む。霧の向こうには真っ青の秋空。

三角岩跡へ戻りルンゼを行く。大粒のダイモンジソウがあちこちに咲いているが、流石に食傷気味。かといってやはり大群落はない。

右側のクラック沿いに行く所で小さなスタンスに一輪の花。踏み付ける訳にも行かず左へ身体を振る。梅の形に似ており結構見栄えがする。ついでだから一枚撮っておく。花軸根元辺りにハート型の葉を付け可愛いものである。

この時は知らずにいたが、実はこれがOさんから聞いた希少種の【ウメバチソウ】であった。またひとつお悧巧さんになってしまった。
そしてその上ではまたダイモンジソウ。今日はダイモンジソウ尽くし。

そしてモウセンゴケの辺りで珍しい花は無いかと大捜索。ウメバチソウがこの辺りにあったと聞いていたものだから。しかしここでは収穫なし。代わりにTさんが本当の希少種を発見。なんと六弁のダイモンジソウ。おしべも1本多く11本。こりゃロクモンジソウと呼ぶべきか。本当に目敏いお人である。

希少種のナントカが見つけらなかったのでアザミでも。(実はもう発見していたのであるが。)

ドンツキからは朝陽台へ。下草ベチョベチョ露払い。おかげでズボンもグッチョグチョ。

8:45 a.m. 朝陽台着。
人っ子ひとり居ない静かな山頂。ちらほらと木の葉も色付きかけているが、本格的な紅葉までまだ一ヶ月。
そんな中一段と色付いている木がある。あれは確かサラサドウダンだった筈。近付いて見るとなんと実がなっていた。

「花は下向きなのに実は上向きなんですね。」とTさん。
老眼のtanuoさんは眼鏡を外し近眼の裸眼で見る。「あれっ、本当だ。途中で逆立ちでもするのかなあ。」
本当に目敏いお人である。


さて、ぼちぼちでっぱつ。
裏道も大分復旧が進んでいると聞く。あれから1ヶ月。そろそろ行ってみようかな。もう工事の邪魔にもなるまいて。
裏道を降る。結構人と行き交う。こんなに多いなら邪魔にもなるまい。
国見峠から暫くは以前と同じ掘割道。峠からの枝沢の傍まで降りてくるとやけに谷が明るい。谷に出ると対岸側、北冷水からの北谷本流に真っ白の土石流跡。ガスが濃くあまり視界が利かず目を凝らして見る。
写真の左が下流側、右が北谷本流上部です。

左岸側山腹の裏道に戻り暫く降る。また北谷側が明るく開けた所で覗き込む。どうやら北谷の滝があったところのようだ。剥がれやすい岩が皆落ちてしまい、その下の岩盤がモロに現れている。
「このガス、鬱陶しいなあ。様子がはっきり見えない。」さっきから目を凝らしっぱなし。

再度裏道に戻る。この辺りまでは以前のまま。
前壁の前まで来ると砂ザレが流され上の方に新に道が造られている。
前壁はガスの中。


9:30 a.m. 藤内沢出合着。
写真の左が下流側、写真中は正面に藤内沢が見える筈ですが…。写真右は北谷上流側。

ここで小休止兼燃料補給。
中央滑川を思わせる景色。ガスが晴れると綺麗だろうに。(こんな事言うのは不謹慎?)
なんだか雨が降りそうな気配。でも下は晴れているのだろうなあ。
ここからは樹林の中より面白そうなので沢沿いに降る。直ぐ下に大きな落ち込みがあり、崩れそうな所を巻き降りて行く。不謹慎だと言われてもやはり面白い。ワクワク、ワクワク。

暫く行くと広い河原に出る。左岸側に目を遣ると、薄くなったガス越しにピョンの耳の岩塔が。本当にだだっ広い河原になってしまった。ガスが切れると目の前に藤内小屋の赤い屋根が見える。障害物が綺麗になくなり視界の良い事と言ったら…。

左岸側に寄って行くと大きな落ち込み。その上には運ばれてきた大岩がポツン。誰が積んだかその上にケルンが。ボランティアもこんな遊びくらいしたくなりますわなあ。小屋近くには大勢の人が作業中。

天狗の踊り場から運ばれて来たものか、慰霊のプレートの付いた大岩が土砂に半分埋まっている。その右にはキレットからの沢。ここからの土石流が北谷の土石流とぶつかり、藤内小屋を直撃したのか。

再度左岸側へ寄り、落ち込みの辺りを見上げる。かなり傾斜がある。ピョンの耳の下の滝があった辺りだろうか。ここも岩盤がむき出しになっている。その下流、不動谷出合辺りでは数名が作業中。

北谷小屋の前まで行く。こちらは全く被害なし。とは言うものの沢筋はやはり荒れている。
こうしてみると北谷小屋は河床からかなり高い所に建っている。もっと低いように思っていたが…。そう言えばこの北谷小屋も一度流された事があったと聞いている。それで今の位置に移されたのだろう。
藤内小屋の前を行く。忙しく作業に携わっている人達の脇を通り抜ける。
小屋横のテストストーンは健在だった。その裏に大きな土石流跡があり結構な水量が流れている。小屋の上流辺りで北谷へ伏流していた水脈がこちらへ向きを変え沢となって流れ出しているようだ。
ここを過ぎると右岸側の裏道は健在だった。但し遠く離れていた筈の沢が裏道のすぐ隣まで迫っている。
四の渡しの手前ではIさんが登ったというクラックの岩がよく見える。遮る物が無くなり裏道からすぐ隣の対岸にデーンと控えている。

四の渡しを過ぎ河原を行く。すぐ左に大きな谷が合流している。「こんなデカイ谷ってあったかなあ?」

そうそう、日向小屋の直ぐ上辺りの左岸側に大きな広場があった。その脇に小さな沢が流れておりそれが北谷に流れ込んでいた。あの小沢がこれなのか。上流で水路が変わりここへ纏めて流れ込んでいるのだろうか。いずれにしてもあの広場は無くなってしまった。たしかかみさんはここで親分達とテントを張り宴会をした事があったように聞いている。あの時一緒だったO氏も既に亡くなったと聞いている。親分もそうだし皆結構早死にしているんだなあ。いつまでも老害を撒き散らし生き恥を曝しているのは俺だけか。
そしてその下流側には日向小屋。流出した小屋の下の土砂の所には足場用鉄パイプで小屋を支えている。見るからに危なっかしくまるでサーカスのようだ。その下ではここでも何人かが作業に追われている。

よく倒壊しなかったものだ。基礎が梁となり建屋が崩れるのを防いでくれたのだろう。下からは土間であったであろう家の中が丸見えである。

そのまま河原を辿っていると例の大堰堤が見えてきた。堰堤の上まで土砂で埋まっている。あの深いダムの底が完全に土砂で埋まってしまったのである。ダンプカー何杯分に相当するのであろうか。
この堰堤のおかげで土砂が堰き止められ下流の被害を防いだと言う。このように堰堤が埋まってしまっても、傾斜の緩い緩衝帯が長々と続きそれが下流への被害を和らげるそうである。この効用は中ア滑川で実証され全国の土砂災害防止に役立っていると聞く。嘗て滑川も暴れ川で有名であった。その治水工法が、滑川のような景色になってしまったこの北谷で効用を発揮したというのもなにかしら縁のようなものを感じる。
堰堤が近付くと右岸側に残った裏道へと続く。そして堰堤横の広場で舗装路へと繋がる。そこにコンクリートブロックが積上げられている。
ボランティアのお願いとして、藤内小屋までブロックを運んで欲しいとの事。今から登るのもしんどいし、背負子も無いし…。
解かっていればこちらを登りに取りお手伝いできたのに。

蒼滝橋へ出たところでスカイラインを料金所駐車場まで。時刻はまだ11時前。スカイラインも途中で崩壊しているらしい。どんな様子か偵察してきても良いが…。

11:00 a.m. 駐車場着。
ここまで来たらもうスカイライン偵察の気が無くなってしまった。本日はこれで終了。ああ、なんたる軟弱者!
まっ、良いか。ちょうど温泉も営業開始の時刻だし。それにダイモンジソウも大収穫だったし。
片付けものを済ませ温泉まっしぐら。



2008年10月04日21時05分00秒 記

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