紅葉狩りHike

10月10日頃で大雪が降る事はよくある。
かと思えばポカポカ暖かい小春日和が続く事もある。
秋の天気は予期せぬ事ばかり。
しかし今日はまだ9月である。10月10日はまだ2週間先である。
ちょっと冷え込むのが早いんでないかい。


20080927

8:00 a.m. 田の原駐車場着。

4時半に自宅を出てこの着時間。もう昔のように3時間を切る事はないのか。
中津川までは順調に来た。当初「恵那山にでも。」と思っていたが「このペースなら7時半までには田の原まで行ってしまいそう。」と考えたのが間違いの元。良くなったとは言え、中津川林道も一部未舗装砕石道路が残っており「車が傷む。」との考えが頭をよぎり、その所為もある。
元越のコンビニから出てからが最悪。追い越せる所は限られている。その登りで目一杯ふかしていたんじゃそれまでのエコランも一瞬にして無に帰してしまう。ふ〜、何をやってんだか。

愚痴はさておき仕度を始める。
車外に出ると、ブルブルッ。メチャ寒い。今日は天気も良いし半袖Tシャツのいでたちで来たが、慌てて長袖を羽織る。

8:20 a.m. でっぱつ。
良い天気だが風が強く寒い。腕組みし身体を縮めて歩き始める。そのうち暖まってくるだろう。

チラホラと紅葉が始まっている。全山錦繍とは行かないが上の方は草紅葉の見頃だろう。
ナナカマドの葉はまだ緑。真っ赤な実がたわわに実っている。

ダケカンバもまだ緑の方が勝っているが、気の早いものは大分黄色味を帯びている。それが青空をバックに輝き、いかにも秋を思わせる。

振り返れば、青空の下に紫煙る中央の山並み。その奥には八ヶ岳、甲斐駒が薄紫のシルエットを浮かべている。


8:55 a.m. 檻に入ったお不動さん着。

ダケカンバの縞枯れが進んでいるようだ。緑の中に白骨のような棘が並んでいる。

田の原も随分下に見えるようになったが王滝頂上はまだまだ遥か上。

身体がちっとも暖かくならない。それどころか高度を上げるにつれて、風の所為か体感温度が下がって行く。
あっ、寒い筈だ。日陰には霜柱。そして水溜りには薄氷が。

そういえば皆さんヤッケ代わりのカッパやジャケットを着ていらっしゃる。夏と同じ格好をしているのは私だけ?


9:30 a.m. 一口水着。


9:40 a.m. 大覗き着。

中央の稜線、三の沢岳の隣に富士山が顔を出している。今日は本当に良い天気だ。

大覗き上部からの俯瞰。天気が良いとこんなにも高度感がある。そして正面には王滝頂上小屋がもう目と鼻の先。


10:00 a.m. 王滝頂上着。社に拍手。
すっかり冷え切ってしまった。上着代わりに合羽を着るか?と思案しながら防風壁の外へ。
「ん?風が弱い。」意外や意外。身体が飛ばされるほどの強風が吹き荒れているものと思っていたのに。これぐらいならいいか、面倒臭いし。と上着も着ずにそのまま外へ。
正面には剣ヶ峰。相も変わらず荒涼とした景色。

数m進んだところでいきなり飛ばされるほどの強風。間断なく吹いているおかげで身体を傾けたままで歩けるが、これで息をされたら堪らない。
真冬の冷たさは無いがそれでもこの強風、どんどん体温を奪われて行くのが解かる。顔の左半分が痛くなってきた。手で頬を覆っているが効き目なし。目の玉まで痛くなってきた。そして足も冷えで攣りそうな気配。

強風帯を過ぎ剣ヶ峰の登りにさしかかる。風はそう強くはないが、ときどき突風が吹きバランスを崩し易い。おまけに地獄谷からの細かな砂埃で鼻も口もムズムズする。ゼーハーゼーハーと口で息をしているため喉までいがらっぽい。ヨタヨタしながら辿る。「いかにもお年寄に見えるだろうな。」などと思いながら行く。

10:25 a.m. 剣ヶ峰着。
祠に拍手。
二の池の色が濁っている。強風で波立っているのだろう。風が無ければ綺麗なコバルトブルーの筈。言い換えれば今日はそれほど風が強いって事だ。二の池の周りが白い。ありゃ氷だな。

その向こうには乗鞍岳の奥に北アの山並み。特徴的な笠ヶ岳を挟み薬師、水晶なども見える。ずっと右側にはお馴染みの槍から穂高吊尾根。

右に目をやれば八ヶ岳の長大な山並み。甲斐駒との間には奥秩父の山塊だろうか。甲斐駒から仙丈、北岳と続き手前の中央の稜線と重なる。ずっと南には富士山の台形がはっきりと見える。

社務所の裏側に回る。地獄谷から吹き付ける風が強く身体の芯まで冷え切ってしまう。こりゃ堪らん。一の池へ降りるのはパス。東側から二の池へ降りる事にする

東面のハイマツ帯辺りは綺麗な草紅葉。

暫く降ると風を遮るものが無くなり、左側から強烈な風が吹きつける。目玉が飛び出すほどの痛さである。「しまった、頂上小屋の陰で上着でも着ておけば良かった。」
ドジなtanuoさんを尻目に完全防備の中高年団体さんが涼しい顔で降りて行く。
二の池が近付くと幾分風が弱くなる。アホウなtanuoさんは池の手前の氷めがけて寄り道する。薄氷をバリバリ踏みつけながら行く。全く子供ですな。

10月10日頃で大雪が降る事はよくある。かと思えばポカポカ暖かい小春日和が続く事もある。秋の天気は予期せぬ事ばかり。しかし今日はまだ9月である。10月10日はまだ2週間先である。ちょっと冷え込むのが早いんでないかい。

10:45 a.m. 二の池着。

思ったとおりかなり波が立っている。こりゃ濁る筈だわ。
そして波打ち際や水面から覗いている石の上には透明氷が貼り付いている。

小屋横の風の陰に駆け込む。「ふ〜、寒かった。」
風が防げるだけで暖かい。石の上に腰掛け燃料補給。
「ん? 指先が動かない。」なんとかコンビニオニギリの包装を解き頬張る。「ん? 噛めない。」頬が引き攣ったままである。
その内身体が震え始める。慌ててオニギリを置き、セーターを着る。その上から合羽上下を着る。
震えは止まったがここへ来て寒気がしてきた。「あかん、低体温だ。」
ツェルトを被って火を焚こうかとも思うが面倒臭い。食うもの食って暫く休めば回復するだろう。身体中に力を込めて自家発電。「ク〜〜〜ッ。」少しは暖かくなったかな?
しかしまあ軟弱な身体ですなあ。先程の中高年軍団に負けてます。
山頂一帯は相変わらず高曇り。視界を失う事はないが日が射してポカポカ陽気になる事もない。剣ヶ峰から見た限り賽の河原の草紅葉も摩利支天の下辺りだけで殆どが枯れ野原。吹きっさらしの強風下を強行しても寒いだけ。
「もう降りちゃって温泉へ行こうよ。」と軟弱君が囁く。
「そうだね、体調不良って事で早く湯治に専念しよう。」
てな訳で王滝頂上に向けて引き返す。
荒涼とした景色の中草紅葉だけが色を添えている。

剣ヶ峰分岐からトラバース道を行く。普通なら風の陰の筈なのにここも相変わらず風が強い。飛ばされると奈落の底。気を付けて一歩一歩。
王滝頂上手前の強風帯は先程同様凄い風。今度は顔の右側が痛い。ああ、目玉が飛び出しそう。9月の御岳で目出帽が必要とは。

11:50 a.m. 王滝頂上通過。そのまま田の原へ。
先ほどまでの強風が嘘のよう。こちらはいくら気温は低いままと言っても、風が弱いだけにまるで天国である。
のんびりテクテクHiking。
眼下の景色を眺めながらのHiking。チラホラ慎ましやかな紅葉も良いものだ。

身体が暖まってくると鼻水が止まらない。風邪でも引いたかな。
手鼻カミカミ、ササで手を拭く。人には見せたくない姿です。おまけにクシャミが止まらない。
I can't stop the coldness 堪えき〜れず、鼻水が〜、止〜ま〜らな〜い。(悲しみが止まらないのメロディーに合わせて)

檻に入ったお不動さんから下は樹林帯となりダケカンバの黄葉やツツジ類の紅葉を愛でながら行く。ナナカマドの燃えるような紅葉はまだ早いがところどころにチラホラと散見できる。

いよいよ道も平坦になり、湿原散策路辺りまで降りてきた。振り返ると御嶽山上空には薄雲が広がっている。足元には遅咲きのアザミが季節を惜しんでいた。


13:10 田の原駐車場着。
本当に今日はお愛想なし。剣ヶ峰往復だけである。まあ偶にはこんなのも良いさ。おかげで早く降りてきたし。
さあ仕上げに温泉でゆっくり身体を暖めよう。


ところが…
道路沿いの【うしげの湯】は準備中の看板が出ている。客が少なくずっと休業しているのではないか? 夏に来た時も確か休みだった。その前の春スキーでも。ひょっとして倒産?
王滝の湯まであの悪路を行く気はない。となるとまた【欅の湯】か。
ダムの橋を渡った所を左折。三岳の信号まで行かずショートカット。ダム湖手前からの道は狭すぎるのでAuでは通りたくない。
遠路遥々【欅の湯】に到着。
ん? 様子が変だ。そして玄関に本日休業の貼り紙。「おいおいここもかよ。」折角こんな辺鄙な所まで来てやったのに〜。
この冷え切った身体をなんとか解凍したいのに〜。
そして道路に戻ると大型バスがノロノロ運転。後ろは大渋滞。それでも道を譲る気は全くなさそうだ。そのまま19号線途中までお付合い。折角早く降りてきたのにいやになっちゃう。

結局汗臭いまま家まで。ノンストップでも4時間以上かかってしまった。
我家の【水道水温泉、田圃の湯】を沸かし身体を解凍する。
その後も鼻水、クシャミが止まらず、日記のアップも翌日回し。早めに就寝。
クシャミばかりしていたら喉まで痛くなっちゃった。風邪かな? 花粉症かな? 地獄谷からの砂埃が抗原かもしれない。


2008年09月28日14時35分00秒 記

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