秋風Hike

日陰に入るとやはり秋。
爽やかな秋風が流れ、汗に濡れたシャツが冷たいくらいだ。
風とおりの良い所を選び腰をおろす。
振り返ると秋の陽光に気の早い紅葉が眩しい。
久々の爽やかな晴天。日本庭園の樹々も生き返った様に輝いている。
 

20080914

久しぶりの御在所通勤。4週抜けて約一ヶ月ぶり。これじゃあMonthly Hikeではないか。
天候不順の後のゲリラ豪雨で裏道は惨澹たる状態。復旧の目途も立たず、藤内小屋の片付けに応援の人達が沢山入っているらしいが皆裏道近くに駐車しているらしい。料金所隣の取付き道側駐車場は、工事とは無関係の駐車らしい。
それじゃあ私もぼちぼち出掛けるか。身体の方ももう限界。いい加減メタボ予防に出かけないと後が大変なのだ。

7:00 a.m. 湯ノ山最奥駐車場着。
御在所南面側はさほど被害は大きくないと聞いていたが、それは北谷と比べてという事のようだ。やはりそれなりに大きな被害が出ている。温泉街までの道路では片側交互通行が2ヶ所あった。バスターミナル対岸の駐車場は流れてきた土砂が山のように溜まり駐車スペースを占拠していた。
到着時にはこの駐車場も満車に近く、向きを変えお尻から突っ込んだ所で、幸い一台が出て行ったのでそこに停めた。
青空が覗いていながら駐車場一帯だけ雨が降っている。
「その内止むさ。」とおもむろに車内で仕度を始める。
暫くすると驟雨も止み、外で靴を履く。足元には露草が咲いていた。家の裏庭も今は満開である。嫌になるほど咲いていると雑草にしか見えないが、こうやって一輪だけ咲いていると可憐に見えるから不思議だ。


7:15 a.m. 出発。
暫く来ないうちに山はすっかり秋。先ほどの雨も手伝ってか冷んやりとした風が吹いている。丁度Iさんの知り合いのS夫妻と一緒になり、ゲリラ豪雨の話などをしながら歩き始める。
S夫妻は今日も本谷からだとか。私は北谷の様子が見たいので中道へ。Tさんから北谷を俯瞰した写真を送って貰っているが、やはりこの目で見てみたい。
メタボになりかけの身体からは、如何に涼しいとは言えやはり玉のような汗がほとばしる。
季節を探しながら中道を行く。


7:50 a.m. 地蔵岩着。ここからでは北谷は望めないが、急ぐ旅でもなし。秋空観賞の為暫し休憩。


8:00 a.m. キレット手前の砂ザレ。藤内小屋周辺の土石流はここからのものかと思っていたが、そうではなかった。荒れてはいるが大きな崩壊は無さそうだ。もっと上流から北谷に沿って押し出されたもののようだ。

広くなった川原に累々と折り重なる真っ白の大岩。フッと滑川を連想させる。
キレット着。正面には富士見岩末端の岩峰が、秋空をバックに何事もなかったかのように聳えている。

北側を見下ろせば崩壊跡が見える。あそこからの土石流も北谷本流の土石流と合わさり、真下の天狗の踊り場を埋め尽くしたようだ。


8:10 a.m. 凹角上の岩塔から辛夷の実の具合を見る。暫く来ない内に既に実は弾けていた。根元の方にはぜ残ったものが一粒。他の実も同様に全て弾け終えている。その中にビロードの綿毛に包まれた花芽を発見。9月半ばから翌年の開花に備えている。半年以上も前から準備を進めているのか。そういえば家のハナミズキももう花芽が付いていた。げに恐るべき植物の習性。人間様の見習うべきかも。


8:15 a.m. 北谷テラス着。

北谷上流部は前尾根の陰で見えないが、相当上から土石流が起こったようだ。遥か下まで真っ白の川原が延々と続いている。
菰野町市街地から仰ぎ見ても、国見峠辺りから真っ白の爪痕が幅広く広がっていた。まさに景観が一変してしまった。
藤内小屋辺りを拡大すると以下の様子。

北谷本流に沿って流れてきた土石流は割り谷頭の山塊にぶつかりそこで流れを止めたようにみえる。その末端の藤内小屋もそのおかげで少規模の移動で済んだようだ。行き場を失った土石流は藤内小屋南側に新たな流れを作りそれが北谷下流へと流れ込んでいる。
北谷小屋は不動沢側にあるため直撃を免れたようだ。
藤内小屋の直ぐ上、ピョンの耳までの間の北谷はまるで箱庭のような景色だった。樹林帯の中にある為、裏道からはあまり目立たなかったが小滝の連続する谷はいかにも日本的な景観であった。それが今は完全に岩屑に埋め尽くされている。

掘割道を行く。ここもかなりの水が流れたようで大分荒れている。そんな中でも草木は、摂理に則り慎ましく季節の花を付けている。


8:35 a.m. 上部テラス着。先ほどとは若干違う角度から藤内小屋辺りを見下ろす。

北谷本流より国見尾根側に一本の土石流跡が見える。尾根末端の張り出しに遮られ流れを止めているが、この張り出しがもう少し短かったら完全に北谷小屋を直撃している。まさに紙一重で北谷小屋は難を免れたと言える。

8:45 a.m. 富士見岩展望台着。
久しぶりの秋晴れの下、何事も無かったかのようにロープウェイが音も無く行き交っている。この静けさに何となく違和感を覚える。


8:50 a.m. 朝陽台着。

裏道へ回るべく遊歩道を行く。
裏道入り口には通行止めの案内と崩落箇所を示す以下の看板。

北谷の実地検分したいところではあるが、通行止めを無視して北谷を降ったなぞとレポートする訳にはいかない。一社会人としてのマナーとモラルは堅持すべき。という事でヒモを潜るのは止めておく。代わりにその横の展望台から鋸岩の真上へ。「う〜ん、やはりここからじゃな〜んも見えん。」
若い頃は通行止めの案内なぞ歯牙にもかけなかったが、tanuoさんも大人になったもんだ。
今日はメタボ予防のリハビリHike。武平経由で早仕舞いすっか。


ムムッ、遊歩道にもこんな爪痕。この崩落は水源ダムへ流れ込んだようだ。

峠道を行く。このまま降りてしまうと温泉には早過ぎるので天指し岩で小休止。そういえば今日はまだ水一滴すら口にしていなかった。これだけ涼しいと渇きすら感じない。


10:00 a.m. 武兵峠通過。うっかり直進してしまった。まあ良いか。久しぶりに鎌の神様にも挨拶して来よう。そして降りは三ツ口谷。ダイモンジソウもぼちぼちだろう。

気温が上がり風も弱く汗が滴り落ちる。また夏に逆戻りかあ。

10:20 a.m. 展望岩着。ここまで来ると風が通り、オーバーヒート気味の身体を一気に冷ましてくれる。


10:50 a.m. 鎌ヶ岳山頂着。陽射しはまだ強いが乾いた風は冷んやりと心地良い。

さて、ダイモンジソウを目当てに三ツ口谷へ。まずは尾根コースから降る。
山頂東側は風が無く日当たりも強い。残暑の山である。

急な降りを終え尾根を行く。そろそろ日本庭園。
日陰に入るとやはり秋。爽やかな秋風が流れ、汗に濡れたシャツが冷たいくらいだ。
風とおりの良い所を選び腰をおろす。
振り返ると秋の陽光に気の早い紅葉が眩しい。久々の爽やかな晴天。日本庭園の樹々も生き返った様に輝いている。
 


分岐から三ツ口谷へ。最上部の滝の上で左岸からの大きな崩落跡。日陰尾根から一気に滝まで崩れ落ちている。
立ち木には長石尾根へ戻るように即席看板が掛けられている。まっ良いか、どうせここだけだろうし。崩れた跡を横切り滝下へ。

滝下は草木が洗い流され広くなっている。まるで大掃除の後のように岩も何もかもが流され広い河床が延々と続いている。帰って歩き易いくらいだ。
岩に付着していた苔類もタワシで擦り落とされたかのように、真っ白の岩肌が露出している。

大滝への降り口はパスる。一箇所崩れかけた所がありそこの様子が解からないので巻き道から降る。
下から大滝下へ回り込む。ここも様子が一変している。滝の真下には流されてきた倒木で大きなダムが出来ている。ささくれ立った生木が絡み合い、木の香りが漂っている。

ダムを乗り越え滝下へ。折り重なっていた大岩が姿を消し広い河床が現れていた。この方がスッキリしていて滝らしい。

その下の小滝もすっかり苔を落とし谷全体が明るく感じられる。

その下の石庭、F山岳会の人達が登山道整備のおまけで造ってくれた休憩所であるが、ここも土砂に埋まっていた。水路が旧道側に移動しておりこのままでは整備した道も左岸沿いの旧道も流されてしまう恐れがある。
通りかかると丁度一人が作業されていた。目が合い話しかける。一所懸命の努力も大雨と共に一瞬で流されてしまう。それでも登山道が流されないようにとすぐさま別の水路を作り保全に尽くしている。全く頭が下がる思いです。暫く世間話などで話し込む。
その下の堰堤の所でも一人が作業中。ここでも暫く話し込む。
ボランティアでやっている事でもそれを良く思わない人がいるそうで、「文句を付けられた。」とボヤいていた。
何の見返りも期待している訳ではない。ただ単に人の為にとの思いでやっている事である。県の許可がどうのこうのなぞという問題ではない。何もかも行政に委ねていたらそれこそ【大きな政府にお粗末なサービス、官僚への権益集中と非効率の助長】に繋がるだけである。
【自分達に出来る事は自分達でする。】これが民主主義の原点だと思いますがね〜。

12:30 三ツ口ダムの奥、最後の滝へ。
上流部の崩落により側壁のイワタバコ、沢沿いのイワウチワ、ダイモンジソウなどは悉く流されていた。
最後の望みはこの滝の辺りだけだが、ここも見事に土砂に埋まっていた。河床が高くなり滝の高さが以前の半分になっている。その前には延々と砂の段丘が続いている。
来年からはもう三ツ口谷に花は咲かないかもしれない。希少種と言われている○○サクラも。

三ツ口ダムは完全に土砂で埋まっている。所々に貼り紙が掛けられている。

役人なぞと言うものはタレこみが無ければ自らこんなものを付けたりしない。保身の為にやるだけである。という事は文句を付けた人がタレこんだって事だろう。税金が高いなぞと言うくせに自らがそれを助長しているとは思わないのだろうか。全くおバカな人種である。

ダムから溢れた土砂はその下のダムも埋め尽くし、三滝川本流の様子までも一変させている。

こうなると長石谷も気がかりである。三ツ口谷より傾斜こそ緩やかなものの、尾根からの崩落があれば三ツ口谷同様谷の中を土石流がヤスリがけしてしまう。季節ごとに楽しませてくれていた草木を一瞬にして削り取ってしまうのである。
来週は長石谷の偵察か。ダイモンジソウ咲いているかな〜?


12:55 車に帰着。午後の陽射しに照り付けられ残暑の復活。さっさと片付けて早く温泉へ。
暫く温泉に浸かってないので寿命が2―3日短くなったかも。


2008年09月15日11時20分00秒 記

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