秋の気配

どんどん湧き上がり姿を変えてゆく雲を見ていると飽きない。
上空の雲が日陰を提供してくれて、絶え間ない西風が身体を冷やしてくれる。
山を越えてくる西風と谷を駆け上がるガスがぶつかり合い、それが真上へと湧き上がって行く。
形を変えずそのまま登って行くものあり、スピンがかかり巻き込むように登って行くものあり…。
その夏雲の遥か上空には秋の雲が既に鎮座しておいでだ。
 

20080816

7:30 a.m. 旧料金所跡駐車場着。
今日は珍しく遅刻。と言っても規則がある訳でも罰則がある訳でもないのだが。
実は目覚ましを止めた後また眠ってしまい、かみさんに起こされた次第。
そのまま寝てしまおうかと思ったが、二度寝してしまったのも休み中の不摂生が原因。ここらで休み中のグータラ癖を汗と一緒に絞り出しておかないと仕事に差障る。てな訳で老骨に鞭打ちなんとか辿り着いた次第です。

7:40 a.m. 出発。
まだお盆の盛り。相変わらず車は少ない。いつもより30分遅れでも車の数は5割程。

道中は良かった天気も、ここまで来ると雲が多く陽射しが遮られ凌ぎやすい。
それに吹く風も一時期より涼しく感じられる。そう、お盆を過ぎれば山は一気に秋に変身するのである。
何となく秋の気配を感じながら歩を進める。歩き始めて直ぐ汗で全身ずぶ濡れになってしまうが、一時期のあのうだるようなクソ暑さは無い。

霧に閉ざされた山頂付近の岩肌が幽玄さと涼やかさを醸し出している。桂林を連想させるこの独特の景色が私を引きつけるのかも知れない。…何が良くて毎週毎週同じ所へ通っているのか、実は私自身にもよく解からないのである。

8:15 a.m. 岩棚着。
西風に乗って活発に動く雲の割れ目から青空が覗く。上空の雲は微動だにせず、その様子から秋の気配を感じる。

ザックを降ろし呼吸を整える。爽やかな涼風が絶えず吹き抜け、濡れたTシャツが火照った身体を冷ましてくれる。こんな風にも秋の匂いが感じられる。

8:30 a.m. 地蔵岩。
今日も早仕舞いの予定。時間はたっぷりある。久しぶりに寄り道して行く。

どんどん湧き上がり姿を変えてゆく雲を見ていると飽きない。上空の雲が日陰を提供してくれて、絶え間ない西風が身体を冷やしてくれる。山を越えてくる西風と谷を駆け上がるガスがぶつかり合い、それが真上へと湧き上がって行く。形を変えずそのまま登って行くものあり、スピンがかかり巻き込むように登って行くものあり…。その夏雲の遥か上空には秋の雲が既に鎮座しておいでだ。

キリが無いのでぼちぼちでっぱつ。

キレットを過ぎ凹角上の辛夷に挨拶。実はもうかなり赤くなっている。その横のアカヤシオもあちこちに実が生っている。


8:55 a.m. 北谷テラス着。

菰野、四日市と広がる伊勢平野の緑が綺麗だ。実り始めた稲穂と共に大豆の濃い緑が綺麗。休耕田で栽培しているようだ。減反を叫んでいたかと思ったら、食料不足の途上国向けに米を供給するとか。下手に介入するより全て農家に任せておけば良いのに。トウモロコシに限らず大豆も海外からの調達が難しいそうである。それを睨んでの栽培か。お百姓さんだってクレバーなのである。皆さん頭を使ってより良い方法を選択しているのだから、全てお任せして、規制全廃、無駄な報奨金撤廃、と早くなって貰いたいものです。大体政府が介入した産業で健全に育ったものなんて何ひとつ無いのは世界共通の常識です。こんな事やってるから国際競争力の無い脆弱なものになってしまうのです。あっ、また脱線してしまった。

暫く行った所でコモノギク発見。

チラホラとこの辺りにかたまって咲いている。あ〜、やはり秋ですねえ。ぼちぼちダイモンジソウの季節かなあ。
9:20 a.m. テラス着。


9:30 a.m. 富士見岩展望台着。

暫く見ない内にお賽銭がいっぱい。飴まで供えてある。
お賽銭は撮っても、決して盗るような事はしないtanuoさんです。

朝陽台から望湖台へ。

9:55 a.m. 望湖台着。

相変わらず涼しい風が吹いている。ここで燃料補給。今朝から何も食べていなかった。遅刻の所為でコンビニにも寄ってなかったのだ。昨日かみさんと出かけた時に買ったドンクのパンを齧る。やはりコンビニのパンよりずっと旨い。
周りが騒がしくなってきたのでぼちぼちでっぱつ。
早仕舞いは良いが、どこから降りるか? そうだ、偶には一の谷道にするか。ついでに鷹見岩にでも寄り道して。
来た道を退き返す。遊歩道には家族連れがいっぱい。道いっぱいに広がって歩くでもなく立ち止まるでもなく…。おまけに皆さん虫取り網を持っており、そのまま振り向いたりするので身体と一緒に網を振り回してくれる。いきなり顔に網を被せられそうになり、かわすのが大変。俊敏な反射神経が要求される。ドン臭いtanuoさんは四苦八苦。でもあどけない子供って可愛いですね。家の子はもう決してあの頃には戻れない…。こんな小さな子供でも20年も経てば、皆おっさん、おばはんになってしまう。可愛いのはほんの一瞬。せいぜい今を楽しんでください。
また脱線してしまった。

アゼリア横から一の谷新道へ。途中で大黒岩に寄り道。


10:20 a.m. 大黒岩展望台着。
ああ〜、ここも良い風が吹いている。「カ、イ、カ、ン。」

テラスの端っこに座り、足を下に投げ出しブラブラさせる。「の〜んびり、のびのび〜、あしたもすっきり〜。」
こんなことしてたらまたケツから根が生えてしまう。そろそろ降りましょ。

途中、道端にドンクのパンが落ちていた。「勿体ないから食べちゃお〜。」
良く見たら茸だった。「毒だと恐いから止めちゃお〜。」しかし良く似たパンが有ったな〜。


10:50 a.m. 鷹見岩着。
風化で表面がザラザラ。半袖なので擦りむかないように気をつけて〜。
最後のチムニーは半端な広さ。ええい面倒だ腕力でグイッ。
天辺に立つ。こんな低い所でもレビュファの世界。でも腰が引けて膝が曲がっている。さぞかし不細工な格好なのだろうなあ。
正面には先程の大黒岩、その向こうには屏風岩。

早々と一段下へ。チムニーの中で擦りむかないように…。
外へ出ると足元にはまた秋の気配が。


樹林帯の中を降る。急に風が無くなった。あ〜クソ暑い。こんなに暑いと夕立でも来て欲しくなる。
そう言えば、前回ここを降った時は雷が鳴っていたなあ。結構積乱雲も発達していたし、午後には雷雨になるかもしれん。そうならない内にサッサと降りてしまおう。

そろそろチンコ岩。と思っていたら、ご対面。

ここを過ぎればもうすぐ山の家。
あっ、赤い屋根が見えてきた。車の音もよく聞こえる。
山の家の横を通りスカイラインへ。

11:40 a.m. 車に帰着。「お早いお帰りで。」ともうひとりの私が嫌味を言っている。
いいのいいの、今日は休み中のグータラ癖を絞り出しに来ただけだから。
とは言ってもやはり凄い汗である。タオルを敷いてもシートにまで汗が染みそうである。染込む量は時間の関数である。時間が短いほど染込む量は少ない。時間tを最小にするべく、温泉めがけ駆け下って行く。


2008年08月16日19時15分00秒 記

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送