継母Hike

ここを登りきるとリッジ上に出た。
反対側は濁河側にスパッと切れ落ちている。
ピークはまだ左の奥だろうと思っていたが右手側に祠がある。それにこちらの方が若干高い。
想像に反してここも摩利支天同様痩尾根上のピークだった。
しかしあっけなかったなあ。もっと上だと思っていたのに。


20080812

夏真っ盛り、皆さん北へ南へお出かけのようです。先日の○○も人っ子ひとりいなかったし。
それでは私もお出かけしましょ。まるビ親爺は超安近短、毎度お馴染み御嶽山。

7:30 a.m. 田の原着。
7時着の目論見が外れ30分の遅れ。この時期は早朝からレジャーでお出かけの遵法闘争車ばかり。やんなっちゃう。

先ずは朝のお勤め。それからエサのパンをくわえたまま仕度を始める。
グズグズやってたらもう8時。tanuoさんは要領が悪く何をやらせてもグズなのである。

8:00 a.m. 出発。
ピーカンの快晴。強い陽射しの割りに冷んやりとしている。地面には濡れた形跡。このところ毎日夕立があるのだろうか。こんなに天気が良いとさもありなん。合羽、傘は忘れずに。忘れた時は出かけずに。

さすがウィークデイとあって車は少ないが、早朝から登る人が多い。夜行登山か降って来る人も多い。
道端にはキリンソウが多い。それに混じってアザミ、ヤマハハコなどが咲いている。

先ずは登山道横の大黒天にご挨拶。「今年も無事やって来られました。」
暫く行くと気の早いナナカマド。

気温は低いが風が無い。樹林帯の中を喘ぎながら行く。

樹林帯が切れると足元にはお化けキリンソウ。ハイマツの海の上には王滝の頂上小屋。そして見下ろせば田の原が遥か下。三笠山の向こうには雲海を隔てて中央の山並み。


8:45 a.m. 檻の中のお不動さん着。ここまで来れば風も流れ冷んやりと心地良い。
足元にはこれもまた馬鹿でかいオトギリソウ等々。

夏雲がどんどん湧き上がり、いつの間にかガスに陽射しが遮られている。日が当たらないと寒いくらい。
夏でも寒い、ヨイヨイヨイ、ヨイヨイヨイのヨイヨイヨイ。 納得ですな。

水場もガスの中。大覗きもガスで何も見えない。が、この辺りから植生も変わる。イワツメクサ、タデ、イワギキョウなど。

王滝頂上が近付くにつれガスが切れ始める。


9:55 a.m. 王滝頂上着。
防風壁を出ると荒涼とした世界が広がる。正面にはシューシューと大地の呻きとともに蒸気が上がっている。そして右手前方には剣が峰。

剣が峰へ向かう。


10:25 a.m. 剣が峰着。祠に拍手。

山頂社務所裏から西を望むと、地獄谷側から立ち上るガスの向こうに継母に日があたっているのが見える。
いつか行こうと思いながら、いつも御鉢巡りの楽しさに負けて素通りしているピークである。
毎度同じ事の繰返しではボケる一方である。そうだ、今日こそは行ってみよう。
一の池外輪山を西に向かう。


11:00 a.m. 外輪山西端着。
急な斜面を登り終えると正面にヒョッコリと継母が顔を出す。

端正な姿だ。量感たっぷりである。ダラダラの御岳の中にあって唯一懸崖を擁した独立峰らしい姿である。
しかし降りが長いなあ。鞍部まで下った後、継母への登り。これはそう大した事はなさそうだが、またここまで戻って来なけりゃならない。これがきつそうだ。と言っても継子まで足を延ばす事と比べれば、それよりは時間もかからない。まあ今日は継母往復の後は二の池経由で降れば良いか。それにこのガス、帰りは要注意だな。まかれて地獄谷の方へ行かないようにしなくっちゃ。
昔の登山道らしい踏み跡の入り口にはペンキで×印を付けた石が置いてある。何らかの名残りがあるようなのでガスにまかれる事もないだろう。
継母に向けて出発。
すぐガラガラのガレ場歩きとなる。よく見るとそこらじゅうにケルンがある。道という程ではないが歩き難い事もない。ただ登りはしんどそう。ガラガラで三歩進んで一歩下がる事になりそう。
すぐ左には地獄谷が大きく落ち込んでいる。ゴウゴウと音を立てていたかと思ったら一瞬ガスが切れ対岸が姿を現す。まさに大地の裂け目。

最低鞍部が近付いて来るとともに継母がどんどん競り上がって行く。デカイ。

行きは良い良い帰りが恐い、恐いながらも通りゃんせ通りゃんせ〜。

11:30 a.m. 最低鞍部と思しき所着。
祠でもあったのだろうか、白骨のような材木が何本も大岩に立て掛けてある。その後には継母の巨体がのしかかるように控えている。
振り返れば一の池への登りが延々と続いている。ここまで来ちゃったら後は登り返すより無い。その前に継母への登りを片付けて。

適当に道を拾いながら行く。尾根筋南面側に昔の登山道は付けられていたようだ。適当に歩き易い所を選びながら行く。
やがて正面に岩峰が立ちはだかる。ここも南面(左側)へ回ると登った跡が幾筋かある。火山特有の脆い岩なので要注意。

ここを登りきるとリッジ上に出た。反対側は濁河側にスパッと切れ落ちている。ピークはまだ左の奥だろうと思っていたが右手側に祠がある。それにこちらの方が若干高い。想像に反してここも摩利支天同様痩尾根上のピークだった。しかしあっけなかったなあ。もっと上だと思っていたのに。

11:55 a.m. 継母岳山頂着。
祠の裏側で大休止。時折薄くなるガスの向こうの景色を楽しむ。
一の池西端から見る継母、摩利支天から見る継母は量感たっぷりのデーンとした山だと思っていた。それが来て吃驚、ペランペランのお煎餅山だった。摩利支天はまだ北側は傾斜が緩くそこそこのボリュームがあるが、継母は両側ともスパッと切れたお煎餅山。まるでグランドジョラス。グランドジョラスはメール・ド・グラスから望む北壁の写真を見る限り台形のボリュームのある山のように見えるが、あの南面もスパッと切れ落ちたペランペランなのである。
継母は祠のあるピークから北側に派生した痩尾根がありそれが北側の量感を感じさせるようだ。そして主稜線は南側に膨らんだ弧を描くように東西に連なっている。この膨らみが南側の量感を感じさせる。
行って吃驚玉手箱、何事も遠目だけでは解かりません。
ガスが晴れ最低鞍部が姿を現した。こうしてみると高低差はあまり無い。一の池西端からの降りが30分、ここの登りが25分。低い筈だ。が、帰りの登り返しが恐ろしい…。だってここから見上げてもずっと上なんだも〜ん。


12:10 でっぱつ。
登りとは別のところから降りる。どこからでも降りられるが脆いのだけは要注意。
途中で北側側面へ回るがやはり不正解。ガラガラの岩屑斜面で足を置く度に岩屑が流れ落ちる。
そんな所でもハイマツ帯との境目には可憐な花がいっぱい。


12:25 最低鞍部通過。ここまで写真撮影も入れて15分。ああ、これから先の登りが想いやまれる。

だだっ広い尾根筋、幸いガスにまかれる事もなく登って来た。傾斜が緩い所為もあり思うほど苦しい事もなかった。隣には地獄谷の懸崖、一の池ももう直ぐ。


13:15 分岐に辿り着く。ふ〜、やっと戻れた。

二の池へ向かう。

一の池外輪山北端から二の池へ。
「無い、無い無い。」コマクサが見当たらない。
以前は砂礫の斜面にいっぱいコマクサの株が点在していたが、なんとタデばかり。花が無いだけなら解かるが草自体が無い。誰かがごっそりと根こそぎ失敬してしまったのだろうか。そんな事は無いと思うが…。
という訳で今年はコマクサの写真無し。

相変わらずガスが濃い。ちょっと早いがもう降りよう。雷も心配だし。
二の池近辺には花は少ない。賽の河原、三の池周辺まで行くといろんな花が咲いているのだろうが、今日はこれでパス。

剣が峰トラバース道を王滝頂上へ。下界は晴天、山はガス。案外ドデカイ積乱雲が発達中だったりして…。


14:30 王滝頂上通過。急に暗くなって来た。ヤバイ、降られるかもしれん。
大覗きは午前中と違いガスが薄くなっている。

降っている最中にポツポツ。とうとう降りだした。時刻は午後3時。
傘でも差してそぞろ歩き。
行き交う人全てが傘を持っていない。午前中好天だった所為か雨を予期していなかったようだ。
「手回しが良いですね。」と声をかけられたが、別に雨を予測して持って来た訳ではない。たまたま入っていただけ。そうtanuoさんは忘れ物の名人なのでなにもかも入れっぱなしにしているだけです。

15:40 田の原着。幸い雷に遭う事もなく降りて来られた。道端の大黒天に拍手。「無事降りて来れました。」
傘を差したまま片付け物をしていたら、雨も止んでしまった。南の空には真っ白な雲が陽光に輝いている。結局大した降りにはならなかったようだ。
うしげの湯を目指して出発。

うしげの湯の前には準備中の看板。よわった。今日もAuちゃん。王滝の湯なぞ行きたくも無い。かといってこの辺には温泉は無い。結局また欅の湯まで遠回り。でもやはり良いお湯でした。燃料高騰の折にも関わらず、未だ400円。嬉し涙がちょちょぎれる温泉です。
ん? うしげの湯も今は沸かし湯だったなあ。燃料高で休業してるのかな?
 

2008年08月13日12時25分00秒 記

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