紅葉狩りHike

紅葉狩りのつもりが、とんだ天気。
回復傾向だからと登ってはみたものの、凄い嵐。
あっちへふらふら、こっちへよろよろ。
横殴りの雨に、水も滴る良い男、否クソジジイ。
これがホントの、年寄りの冷や水。

20061007

つい先日、T哉から電話があった。連休に紅葉狩りを兼ねてツーリングに出かけるとか。それで御在所近辺の染まり具合を聞いてきたのだった。
それで御岳を勧めておいた。あいつも俺に似てケチだから金のかからぬ田の原にでも出かけるのだろう。
そんな事があったので、今回は私も田の原へ紅葉狩りに出かける事にした。もしかしたら向うではちあわせ?
な訳ねーか。時間的にタイミングが合わない。でも家の車を発見して友人達と噂話に華を咲かすかもしれない。
4:40 a.m. 自宅を出る。
無茶苦茶良い天気だ。西の空に中秋の名月が煌々と輝いている。長野県山間部の天気が気になるが、まあ行ってみてのお楽しみ。
御岳までとなるとカルちゃんでは心配だ。迷わずAuちゃんに荷物を積み替える。道中ドライブを楽しみながら、いざ出発。


19号線木曽福島元橋手前に御岳が望める所がある。「天気はどうかな?」と見ると大きな笠雲にすっぽりと覆われている。しかしその上は真っ青の晴天。「昼までには雲も取れるだろう。」でもこれは思い込み意外の何者でもない。
元橋から王滝方面に折れる。遵法闘争車達、Bye Bye。
王滝村から黒石林道(もうこんな名前は死語かな?)に入る。鬱陶しい車もおらず、のびのび走れる。気分も最高!
でも御岳山は相変わらず雲の中。手前の三笠山だけがはっきり見える。
「田の原に着く頃にはすっかり晴れているだろう。」これも全くの思い込みなのである。ホントにお気楽人間なのである。

銀河村キャンプ場辺りでは御覧の天気。これじゃあお気楽人間に一層拍車がかかります。

スキー場上部では紅葉真っ盛り。三笠山を大きく巻いて、田の原手前でもこの天気。

そして最後のカーブを右に回りこむと…、御岳山はガスの中。真っ白のベールにドデカイ虹がかかっている。


7:55 a.m. 田の原着。まずは大急ぎでトイレに駆け込む。
すっきりした所で仕度にかかる。風が強く寒い。外で仕度をしていたら鼻水が出てきた。半袖Tシャツ一枚じゃあ寒い筈だ。長袖シャツを着てその上から合羽兼用にジャケットを羽織る。

8:10 a.m. でっぱつ。

先程見えていた虹がまだかかっている。御岳山がすっぽり被ってしまうほどの虹だ。という事はガスが一向に晴れないって事だが気にせずに行く。「昼までに晴れる。」と、まだ思い込んでいるのである。
今日の目的、紅葉狩りを楽しみながら行く。
この辺り、昔はダケカンバが多く辺り一面真っ黄色に染まっていた筈だが、最近はめっきり少なくなったように思う。
樹林限界まではダケカンバの山吹色と栂、樅の濃い緑。その上は這い松の深緑の中、沢筋に沿ってナナカマドの赤が筋のように山頂に伸びていた。
今ではそんな景色は見られなくなってしまった。おまけに今日はガスが中腹以上を覆っている。
それでもチラホラ散見できる黄葉、紅葉を探しながら行く。

薄日は射しているが霧雨が吹き付ける。強風で中腹から飛ばされて来たものか。
レンズを濡らさないよう風を手で遮り、一瞬を狙って素早く撮影。結構大変です。
大崩れまで来ると霧雨がきつくなる。樹林限界に合わせて風が強くなるのは当然の事か。撮影が尚大変。風の息を狙っていると凄く時間がかかる。

霧雨と言うより最早驟雨と言うべきか、ズボンが濡れだした。合羽を履くのが面倒でついつい先延ばし。
檻に入ったお不動さんを過ぎた所で観念して合羽を出す。風の陰でザックに腰をおろし合羽のズボンを履く。毎度の事ながらオーバーズボンが欲しい。
ついでにジャケットを脱ぎ、合羽の上着と着替える。鈴鹿のような手抜きはご法度です。
知らず知らずの内に風が強くなってきた。上から吹き降ろす強風に登るのがしんどい。急に体重が増えたかのよう。片足立ちで強風に煽られよろめいてしまう。あっちへふらふら、こっちへよろよろ。まるでお年寄りのよう。いや、年相応だったりして…。
降ってくるお姉さんが四つん這いになっている。これも防風体勢の一種?

すれ違う人の合羽が全然濡れていない。撥水性が強く水滴が付かないようだ。これがゴアの威力か? 私のゴムびき合羽は表面がビチョビチョ。凄い親水性。ああ、またゴアの合羽が欲しくなった。(降りたらもう忘れていると思いますが。)

水場を過ぎた所で白玉の実。そこらじゅう鈴生り。ぜんざいでも食うか? なんちゃって。


9:55 a.m. 九合目非難小屋着。
水場辺りからはもう嵐の真っ只中である。強風に煽られながら登ってきたが、少々草臥れた。中に入って一休み。
何か食べておこうとパンを齧る。あれっ、頬が突っ張って上手く噛めない。そんなに疲れていないつもりでも冷えで体力を消耗しているのが解かる。年をとるとこんなところに気を配るようになるんですね。軟弱と言うべきか、用心深いと言うべきか。
暫くすると頬の硬直も緩み、身体も暖まってくる。

小屋には御覧のような看板が貼り付けられていました。良く見るとまだ新しいです。建替えられたものでしょう。

実は、もう30年程前でしょうか、ここの非難小屋にまる二日閉じ込められた事があります。
あれは春の事でした。思いも寄らぬ大雨で身動きが取れなくなってしまったのです。王滝頂上でテントを張っていた2パーティーもテント内が洪水になりここまで逃げてきました。4パーティー合計8名程が同居する事になり、お互いの情報交換やら山談議で結構楽しかったかも。
あの時は確か扉があったように思いますが今の小屋は無いようです。それに雪が無いと下の隙間から風が入ってきます。昔の方が居住性が良かったように思うのは錯覚でしょうか。

休んでいたらなんだか面倒臭くなってしまい、「もう降りちゃおうか?」と軟弱君が囁く。
嵐は一向に治まる気配はない。今日は終日こんな天気だろう。(今度は悪い方へ思い込みが振れてます。)上まで行っても何も見える訳がない。それにここでこの風。王滝頂上の防風壁を出たらそれこそどんな風が吹いている事やら。昔かみさんが吹き飛ばされた事がある。今日辺りこの僕でさえ吹き飛ばされるほどの風が吹いているかもしれない。四つん這いであられもない恰好している所を人に見られるのも癪だ。
「早く降りて温泉行こうよ。」またまた軟弱君が囁く。温泉の誘惑に魅せられ全員一致で撤退を了承。
「チョット軟弱すぎるかな?」と少々後ろめたい気もするが、「まっ、良いか。」


降りとなると速い速い。強風の追い風に押され飛ぶように降りてゆく。(実際ところどころで空を飛んでいたような気がする。)
風に煽られ着地に失敗、濡れた石でスリップ、尻餅を搗く事も。


10:55 a.m. 車に帰着。Auちゃんは無事。擦られた形跡は無し。
出発時は晴れていた田の原駐車場も帰着時には驟雨の中。青空も覗いていますがやはり終日こんな天気でしょう。やはり撤退は正解だった。(という事で納得。)
後は霧雨の中、紅葉狩りしながら温泉へ。


今日は【うしげの湯】はパス。水道水の沸かし湯に700円も出せません。ちょっと遠回りですが【欅の湯】へ行きました。貸切の天然温泉で400円ポッキリ。
セレブ気分でああRich!
入浴後【欅の湯】の庭の花をパチパチ。


2006年10月07日21時30分00秒 記

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