秋を探して



20060818

昨日の夕方、二階でうたた寝していたら、けたたましいツクツクボウシの声。開けっ放しの窓のすぐ傍に張り出した楠木の枝で鳴いていた。この楠木、この家に移ってすぐに1mくらいの苗木で買ったものだが、既に二階の屋根より高く育っている。月日の経つのは早いものである。
毎朝スズメ達の遊び場となり、昼間はヒヨドリの休憩所となっている。楽しませてもらっていて文句を言うのも気が引けるが、間近の蝉の声だけは興醒めである。蝉の声だけは遠くからの方が情緒があって良い。
しかしツクツクボウシの初鳴きに季節の移ろいを感じる。お盆も過ぎれば当然ではあるが、今年は梅雨明けが遅く8月初めの酷暑が感じられなかった。例年ならばお盆を過ぎればその頃より幾分涼しく感じられ、それだけで秋を感じるのだが。
あれだけ風があっても昨日の午後は暑かった。その中でのツクツクボウシの声、往く夏を惜しむかのような哀愁を帯びた鳴声に、秋を探しに行きたくなった。
ツクツクオーシ、ツクツクオーシ、ツクツクヒーヨ、ツクツクヒーヨ、テケテケテケテケ…。

蒼滝橋手前の駐車場には1台も停まっていない。トンネルの向う側も車は居ない。そのまま料金所跡まで来てしまったがこちらにも車は居ない。夏合宿中というより今日はまだ金曜日。毎日休みばかりだと曜日の感覚がなくなる。こんなに空いているのなら今日は裏道。蒼滝手前の駐車場まで引き返す。

7:10 a.m. 出発。風が強く目の前をガスが流れて行く。今にも降りだしそうだが、この湿気を含んだ空気が好きだ。しっとりとしていて喉通りが良い。気温も低く真夏にしては良いコンデションだ。

歩き始めは涼しくて良かったがすぐ汗が噴出す。まあこの季節はこんなものさ。それでも北谷の流れが涼を演出してくれる。裏道の散歩はどんなシチュエーションでも趣きがあって良いものだ。まして今日のように誰とも行き会わない日は最高である。急坂も無くのんびりテクテクそぞろ歩き。


7:40 a.m. 藤内小屋通過。今日は金曜日。小屋も閉まったまま。小屋前でたむろしている人も居なくて閑散としている。


7:50 a.m. ピョンの耳着。
「あっ、小さい秋見っけ。」

ガスが濃く藤内は望めない。ピョンの耳さえボーと霞みはっきりしない。下界は晴れ間も出ていたが、今日はずっとこんな天気だろう。


8:05 a.m. 藤内沢出合着。
何度か紹介した事のある看板です。くどいですが、私は敢えて【藤内出合】と呼ばせて頂きます。日本全国探しても壁の出合なんて言葉も地名もありません。頑固ジジイの戯言とお聞き逃し下さい。

この文面にも違和感を感じます。ロッククライマーなんて言葉、誰も使いませんよねえ。ロッククライミングも普通使いません。平易に【岩登り】と日本語を使います。普通使わないカタカナ言葉を使うものだから気取っているようにとられるのではないかと思います。
せいぜい「岩登り練習場の為、一般者立入禁止」とでも書いておけば違和感が無いように感じるのは私だけですかね。
で、一般ハイカーの私が、看板より奥の北谷に出てしまった。ごめんなさい、ごめんなさい。
この前の土曜日でも藤内はガラガラだったし、今日なんて人っ子一人いない。もう昔のような賑わいは二度と来ないのだろう。皆、生活が豊かになり、やるとしてもインドアのみ。安全圏内でそこそこ楽しめれば良い、リスクを負ってまで冒険をするような社会環境では無いのだ。そんなものは過去の遺物なのだろう。
閑古鳥の無く藤内はガスの中。

出合近くで北谷は伏流してしまい水は流れていない。藤内沢からは少しではあるが流れ込んでいる。よく見る光景と逆である。

裏道を行くとまた小さい秋見っけ。萩のようだが葉っぱが全く違う。


8:30 a.m. 前壁ルンゼ前着。菰野、四日市はガスの向う。全く見えません。
時折雨がぱらつくが生暖かい強風にシャツもズボンもすぐ乾いてしまう。

北谷の滝は今日は水量が多い。ドウドウと流れているこれだけの水が伏流してしまうって、自然って凄い。その上の流れと裏道が出会う所は…、伏流している。どうも様子がおかしい。地滑りとか天変地異の前触れじゃなきゃ良いが。

8:50 a.m. 国見峠通過。

北冷水の水場(今はスキー場からの排水で飲用不可)も大きい方の流れが涸れていてその隣の小さい流れは水量が多い。「変なの。」

9:05 a.m. 山頂遊歩道に跳び出す。
鋸岩終了点上の展望台へ行く。ガスで何も見えない事は解かっているが、腰掛に按配の良い石を求めて。

石に腰掛、小休止。燃料を補給する。
さてこの後どうするかな? 小さい秋は見つけたし、今日は元々早仕舞いの予定である。
「降りそうで降らないなあ。」なんて思っていたらいきなりバラバラバラ。結構大粒である。木の陰に移動し合羽の上着を着る。今日は風が強いので傘はパス。着ている間も弱まる様子もなくどんどん激しくなる。これはもう土砂降り。ザックカバーも付けて、ズボンは面倒なのでパス。オーバーズボンなら履き易くて良いのに。
「もう降りちゃお。」中道へ向かう。

ほぼ毎週のように歩いていても、降りに使うと一瞬どこだったか登りの時と繋がらない時がある。これがまた新鮮な気持ちにしてくれる。
小降りになったり土砂降りになったり、風も強くまるで嵐。台風10号って九州へ行っちゃったんじゃなかったのかな?
そんな中、可憐に咲くコモノギク。これもまた小さい秋。

中道の降りは早い。雨のおかげで足も自然に速くなる。
地蔵岩辺りからまた雨が激しくなった。道の真ん中を小さな濁流が土砂を押し流して行く。砂地が抉られ見ていて迫力がある。こんなのを見ているのも好きだ。自然の猛威のミニチュア版を見ているようで興味深い。
と、楽しんではいるが、実はこの頃にはズボンはベチョベチョ、靴の中まで上からの浸水で歩く度にグチュグチュいっている。「日帰りだから良いさ。夏だから良いさ。」気楽なものである。
しかしよくよく考えてみると、やはり私は晴れ男。登りでは殆ど降られず、登り終え燃料補給し終わってから示し合わせたかのように土砂降り。下りならそう蒸さる事もない。そしてここでこれだけ降られておけばまた暫くは降られる事もないだろう。

10:20 a.m. 車に帰着。ここまで来ると雨も小降り。案外里は晴れているのかもしれない。
全身濡鼠なのでリアゲートから転がり込む。ゲートを屋根代わりにして靴を脱ぎ、スッポンポンになって体を拭く。そして着替え。「ふ〜、さっぱりした。」(まだお風呂にも入っていないのに。)
雨に降られた時はやはりワゴン車が便利ですね。天井の高い1Boxがベストですが家のカルちゃんはステーションワゴンです。天井が低く着替えが大変ですがそれでもセダンよりは便利です。次はWishかあ?

着替えを済ませてからパンをかじりながら時間待ち。だって温泉は11時からなんだも〜ん。


2006年08月18日19時30分00秒

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