先週日曜は馬の背尾根が最高に綺麗だったとの情報を知人がら貰っていた。
また別の知人はアカヤシオの見頃を物色中だとか。
それじゃあ偵察を兼ねて今週末は馬の背へと目論んでいた。
土曜日は天気が良くないとの事だったので、降りが酷けりゃ温泉に浸かりながら様子を窺うつもりでいた。
空は高曇り、あまり湿気は無いが、どんよりした天気のせいか鈴鹿の山並みは見えない。
四日市まで来ると山頂付近はガスを纏っているのが見える。
「まあいいか。今日の予定はお花の偵察。景色は見えなくても花は見える。」
スカイラインに入ると山肌が色付いているのが解る。先週の宮妻峡並みだ。
6:55 a.m. 料金所跡駐車場着。この辺り、まだ桜も残っている。
7:05 a.m. 出発。辺り一面新緑が瑞々しい。
山道に入るとミツバツツジがあちこちで迎えてくれる。今朝咲いたばかりの新鮮なもの、少し薹が立ったもの、草臥れ果てたもの等等いろいろであるが、離れて見る分にはどれも皆綺麗である。野山の花は近付いて見るものではない。皆厳しい自然の中で精一杯命を繋いでいるのである。風で擦れて傷んで当然。虫に食われて傷ついていて当然。温室育ちとは違うのだ。
そしてアカヤシオ、コブシもいっぱい咲いている。足元にはショウジョウバカマ。これはもう食傷気味である。
キレットを過ぎ凹角の上の岩塔に立つ。2月末から猫柳のようなベルベットを纏っていたコブシの蕾がやっと綻びかけた。我慢強い蕾である。なんと2ヶ月間も待っていたのだから。
その隣のアカヤシオの蕾も開花の準備をしている。
北谷テラスから上は何も咲いていない。先々週はまだ雪が残っていたのだから。
晴れていれば望めるであろう富士見岩末端もガスの中。昨年のこの時期、ここから望む山肌がピンクに覆われていたなんて想像すら出来ない。
富士見岩末端を回り込むとバイカオウレンがいっぱい。ショウジョウバカマもこの辺りはまだ開ききっていない。花弁が寄り添っている様は如何にも寒そうである。
8:50 a.m. 富士見岩展望台着。
本谷の上を引っ切り無しにガスが舞い上がって行く。
8:55 a.m. 朝陽台手前の疎林の中にバイカオウレンがいっぱい。こんな所に咲いていたなんて全く知らなかった。
山頂公園ではハクサンリンドウも全く咲いていない。白山スーパー林道も開通は未だだし…。関係無いか。
季節に似合わない寒風の中を武平峠に向かう。
峠道を降り峠近くの砂ザレでコブシ発見。手頃な位置にありいかにも「写してくれ。」と言っているようである。催促されるままパチリ。
9:50 a.m. 武平峠通過。
道端の春を満喫しながら行く。
鎌ヶ岳山頂直下のガレが荒れている。春先は落石などが多い。
10:45 a.m. 鎌ヶ岳山頂着。お辞儀をしたままの祠とお辞儀のしあっこをする。
実るほど頭を垂れる、稲穂かな。否、祠かな。鎌の神様はとてもおくゆかしい。
じっとしていると肌寒い。風の無いリザーブシートで小休止。&燃料補給。
10:55 a.m. 出発。馬の背へ向かう。
岳峠から暫らくはショウジョウバカマしか咲いていない。まだ寒いからなあ。
白ハゲを過ぎるとイワウチの群生。アカヤシオもいっぱい。
おいおい、このアカヤシオの量、尋常じゃないぞ。振り返ると山肌がピンクに染まっている。
残念ながら石楠花はまだ花芽も固く暫らく先でしょう。そうだ、まだアカヤシオの最盛期なんだから石楠花には早過ぎますね。今日のところは花芽が付いている事だけを確認して由としましょう。
犬星滝への分岐を過ぎるとアカヤシオよりもミツバツツジが目立って多くなる。これもまた道理。
そしてイワウチワが少なくなってきたなと思う頃、イワカガミの蕾がぎっしり。足の踏み場も無いほどに。
白い砂ザレの中、苔むした大岩が点在し、松の大木、照葉樹の朽木に混じってミツバツツジが咲き誇っている。そして萌黄色の新芽が林全体を彩っている。
この時期の馬の背は別天地ですわ。そして手を替え品を替え、長い期間をかけて花々が交替しながら尾根を駆け上がって行くのである。
尾根を外れ三岳寺へ下りかけると馬鹿でかいイワウチワに混じってイワカガミ。ぼちぼち蕾が弾けかけている。
そしてとうとう咲いているのを発見。これが最後かも知れないと思い、撮影しておく。
するとその直ぐ下には開花したものが群生している。
いやはや、凄い量です。一所懸命撮っていたが、これだけたくさん乱れ咲いているのを見ると、もう要りません。ゲップが出てきちゃいます。
13:25 三岳寺最上部の展望台着。
三岳寺まで降りてくると、今が春真っ盛り。
後は温泉街を抜けて駐車場へ。
温泉街には早々と石楠花が咲いていました。
14:00 車に帰着。写真休憩ばかりしていた割にまずまずの時刻で帰り着きました。
雨にも降られず、暑くも無く最高の日和でした。
あのイワカガミの蕾達、来週くらいには一斉に咲き出すのでしょう。さぞ壮観でしょうね。
ああ、また来週も来なくっちゃ。
さあ、今日も温泉目指してLet's go!
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