初詣 Hike

子供はもういない。
元旦の初詣も誘ったがふられた。
誰も遊んでくれん。
しょうがない。暇つぶしに御在所通い。
今日は傷心の初詣Hikeです。
ついでに体脂肪を減らしてこよう。
食っちゃあ寝、食っちゃあ寝でもうブクブクです。


20060102

家を出るといきなりパラパラ。
なんだ雨か、気温も高そうだなあ。
正月2日でおまけに雨ならお客さんも少ないだろう。
土砂降りなら温泉だけにしとこう。

前回の帰り、カルちゃん(9年目に突入のカルタスクレセントワゴン:我が家のファースト・カーです。)から異音が出ていた。その後出なくなってしまったが、あちこち傷んでいるのは確か。それで今年は丁寧に、大事に乗ることに決めました。
道中も荒っぽい運転は御法度。追越したけりゃ追越して頂戴。こちらは法定速度+αで行く。
それでも正月で車が少なく思ったより早く着いてしまった。
まだ薄暗い中、牡丹雪が降っている。こりゃ今日は合羽かな?
湯ノ山最奥駐車場にはカバーをかけた車が真ん中に停めてある。
除雪車が入れずグサグサの腐れ雪。地上高の低いカルちゃんには宜しくない。おまけに途中の道は車1台分しか除雪していない。路肩には氷化した雪が60cm程の高さで壁になっていた。
近頃はバックで走れない人がどんどん突っ込んでくる時代である。帰りに鉢合わせで渋滞って事も考えられる。おまけにしんしんと雪も降っている。融けてしまうと思うが融けなかったら、ノーチェーンの2駆で来るお馬鹿が道路を閉鎖してしまう可能性もある。(実際この道ではよくある事です。)
駐車場には既に2台停まっていたが1台は見覚えがある。傍にはOさん。よく遭いますなあ。
どうしようかと思いながら車の向きを変える。
相変わらず湿雪がしんしん。意を決してスカイラインゲートに戻る事にする。だってカルちゃん腹擦りそうなんだもん。「あんたが出かける度にカルちゃんの調子が悪くなる。」って、かみさんが言うんだもん。Oさんbye bye。気を悪くしないでね。

降りかけると早速鉢合わせ。下がる気はないらしい。こんな人ばっかり。「バックも出来ないのに突っ込んで来るな。」って言いたいね。
仕方がないので下がってやる。バックで登りは後ろが見難いんだよな。そんな事も解らない人ばかり。少しは車の運転を練習してから来てくれよ中高年! あっ、僕も中高年だった。
擦れ違える所までバックしてやったが挨拶もせずに登って行きよった。呆れて腹も立たんわ。
その後ろにまた見覚えのある車。なんとIさん。Oさんといい、Iさんといい、ほんと良く気があいますなあ。年末のお礼と挨拶。スカイラインゲートへ行く旨を伝え別れる。

以上、今回は凄く長〜い前置きでした。


7:35 a.m. スカイラインゲート出発。遠回りのせいで重役出勤。
雪は小雨に代り薄雲越しに青空も望める。合羽はザックに入れたまま薄手のジャケットを着て行く。ゲートからこんなに雪があるのも久しぶり。何年か前にもあったような。その時も温泉街奥の駐車場は敬遠したんだった。2駆ならチェーン巻いてくれば良いのに、ほんと迷惑千番な輩が多い。(チョットくどいですね。もう止めます。)
ゲートから歩くのも久しぶり。この辺り、よくニホンザルの群れと出くわす所だ。あれだけいるとやはり脅威だ。襲われた時の用意につるはしを出し、いつでもどつきまわせるように身構えていたが、敵も猿モノ、気配を察してか襲われる事はなかった。低山での動物との遭遇は高山では決して有りえない脅威である。(だから低山は嫌い。)


暑い、蒸さる。ジャケットを脱ぐ。初春雨じゃ濡れて参ろう。

蒼滝橋を渡り気が付くと裏道に入っていた。中道へ行ってもIさん達に追いつく訳もないので久しぶりのひとり歩き。それにしても静かだなあ。もう2日だし天気もこんなだし、で皆さん敬遠されたような…。僕にとっては好都合。
この新しい裏道(と言っても既に何年も経っているのだが。)鉄のアングル材とメッシュで組んだ橋がそこらじゅうに架かっている。この橋を見ると田立を思い出す。山を始めた頃よくSさんに連れられて行った所だ。
その頃キャラバンシューズしか無くて、防水の為に靴下の上からポリ袋を被せ、そのうえから靴を履いていた。ポリ袋が滑り靴の中で足が踊っていたなあ。最初つまさきから靴が濡れ始め暫らくするとそれが真っ白に凍ってくる。外からの濡れは防げても足は汗をかくのである。当然内から濡れてくる。冷たくて痛いのを通り越すと指先からだんだん感覚が無くなり気にならなくなる。でもこれって凍傷一歩手前だったのでは?と今になって思う。日帰りだから良かったが。お金も知識もなくあるのは若さだけだったが、何をしても楽しくてしょうがなかった。今ではバカな事をしなくなった反面、何をやってもあの頃ほど楽しくない。
もう一度人生をやり直したいなぞとは思わないが、あの頃のように心底楽しめるものはないものか?なにをやっても心の片隅で醒めた目をしているシニカルな自分が居る。
なーんて詩人みたいな冗談はさておき、綺麗な雪景色を堪能しながら裏道を行く。

雪に覆われていても裏道はやはり思い出深く懐かしい。だれそれがここでこけた。ここを降るときあいつは必ずおきまりのポーズをとる。よくここでテントを張って宴会をした。この岩小屋で耐寒訓練をやった。etc.etc.
裏道は私にとって鬼門である。懐かしさよりも哀愁というか、郷愁というか、なぜか胸を締め付けられるような息苦しさを感じる。

いつのまにか小雨は雪に変わっていた。藤内小屋を過ぎた辺りからかなりの降りになってきた。汗と雪で服もズボンもかなり水分を含んでいる。でも合羽は着ない。内から蒸さるから。(未だゴアテックスの合羽は買ってません。(←まるビ丸出しですな。)


8:50 a.m. 藤内沢出合着。看板は【藤内壁出合】となっていますが頑固親父のささやかな抵抗で敢えて沢を使います。壁の出合なんて日本中何処を探してもそんな言葉はありません。

藤内には雪だけでなくガスもかかっている。ガスが薄くなると辛うじて一壁、バットレス、その真ん中に中俣の氷が見えます。写真で解るかな?


前壁を過ぎると気温もぐっと下がってくる。雪が服に付かない。湿度が下がり服もズボンも湿気が抜けて行く。ここから先が本当の冬山。山はこうでなくっちゃ。
トレースも傾斜が出てきて、おまけに皆さん滑って降りたのかステップの無い滑り台。
つまさきを蹴り込むが新雪の下はカチカチに締まっている。微妙なバランスを保ちながら登って行く。「俺達の付けたステップを崩そうが崩すまいが俺達の勝手だ。」とトレースから声が聞こえる。「おいおい、それはそうだが気配りが足りないんでないかい?」


9:40 a.m. 国見峠着。先日僕が付けた峠のショートカットが立派なトレースに成長していた。お役に立てて光栄です。でも今日は通らなかった。ムヒヒヒヒ。今日は峠から望湖台へショートカットする予定です。


峠の新しい看板は雪の下。これは先日確認済み。先日は望湖台から峠まで降りるつもりが、スキーヤーに遠慮したがため遠回り。峠近くまで降りてきて「しまった!」
それで今日は逆コースの登りでちとしんどいですが、無垢の雪原に落書きしようという訳です。
トレースを外れるがあまり沈まない。先日以前の雪が根雪になっているようだ。但し場所によってはその締まった部分が薄く、踏み抜くと股まで陥没する。
一息ついた所で観念してワカンを付ける。


さすがに稜線上は風がきつい。北谷側はガスに閉ざされているが西側はすっきりしている。その分気温も低く体感温度は雲泥の差。うーん、やはり山はこうでなくっちゃ。ちゃっぷいちゃっぷいけど。
風の当る所の雪は締まっている。当らない所はスカスカ。色も違っている。ウインドクラスト様々である。やはり山は冷たくなくっちゃ。(いつもと言ってる事が違ってるじゃねーか。)
スキー場横まで来ると所々スカスカ雪に嵌まり込む。圧雪してあるゲレンデが魅力的である。でも意地を通して外側を行く。(実は圧雪車がいたのでよう入らんかっただけ。いなかったら当然の如く入っとった。)

10:20 a.m. 三角点着。望湖台は目と鼻の先。

ワカンを効かしズコズコと行く。ドラエモンの【どこでもドア】ならぬ【どこでも道路】である。

10:25 a.m. 望湖台着。案の定雨乞岳は雲の中。色彩の無い白黒写真の世界。


真っ白の雪原を駆け回る。遊歩道への最短コース。僕の前に道は無い、僕の後に道はある。【どこでも道路】のお陰でどんな斜面も駆け下りる。わしゃ、どらえもんか、高村光太郎か。


遊歩道から峠道へ。本当に久しぶりのドカ雪。半雪洞くらい掘れそう。一泊ってのも楽しいかな?
峠道最高!2人ほどのトレースあり。なんと壷足ではないか。こりゃまあ元気な事で。
踏み跡は歩き難いし夏道通しに歩いているのでわたしゃ無視。誰も踏んでない所を選びスタコラサッサ。ブッシュのない所を選びスタコラサッサ。美味しそうな斜面を選びスタコラサッサ。


展望台から下はさすがに雪も少なくおまけに腐れ雪。木登り藪漕ぎホイサッサ。そして時々ドボン。


11:35 a.m. 武平峠着。
もうこんな時刻だし、鎌ヶ岳はパス。トレースは?と見るが雪壁になっていて登ろうと試みた跡はあるが登った形跡はなし。こんな楽しそうな所なんで諦めるのかな?
ワカンが邪魔だが外すのも面倒なのでそのままつまさきを雪壁に蹴り込みながらステップを付けて行く。一段登った所から滑り降りて休憩。燃料補給する。
パンを食べながら今登った上にも美味しそうな雪壁を見つける。これを放っておく手は無い。
食べ終えると同時につるはし持って取り付く。ワカンを履いたまま雪壁を登る。ワカンってスノーシューのようにデッキが無いので浮力は小さいですがこうやってワッカを上にあげればつまさきが使えます。ちょっとした岩場でも外さずに通過できます。日本の山に合せて淘汰されてきたものです。最近スノーシュー流行りのようですが平坦な所ならスキーの方が余程機動性があります。なんたって滑降が出来るのはスキーしかありません。なぜあんな中途半端なものが流行るのか解りませんね。まあ一過性のもので来年あたり誰も見向きもしなくなってたりして…。以上買えない者の僻みでした。
そのまま上の雪壁へ。あっというまに頂いちゃいました。

下降は崖落ちメソッドです。ドスン。

12:00 出発。思いのほか長居しちゃいました。ここでこの雪。展望岩の下のルンゼはもっと楽しい事になってるでしょう。来週が楽しみです。
スカイラインまでがまた雪たっぷりであちこちで崖落ち。ドッスン、ドッスン。楽しいったらござんせん。
スカイラインに出てからもワカンがよく効き良い調子。ショートカットも夏道無視。どこでも道路。歩いた所が道路です。
西多古地の滝が…凍ってるじゃありませんか。あれ〜、そんなに気温低いかな?


表道合流点が近付き…。

さてワカンもお役御免かなっと思ったら…踏み跡無し。
降りてきた足跡はスカイラインへ出たようだ。なんでそんな勿体無い事すんの? じゃあ私がお相伴に預かりましょう。ワカンのまま、夏道無視で【どこでも道路】。ズコズコと斜めに突っ切って橋の下へ。修験場跡も雪の上、好き勝手に通り抜ける。
あ〜っ、山頂の御岳社で初詣するの忘れてた。急遽ここで初詣。信仰心の希薄なおっさんですな。
12:35 三ツ口ダム通過。今日は氷の上に雪が被り真っ白です。冬らしい景色です。

ぼちぼちワカンを外そうかと思いながらも雪が多いので履いたままトレースを外して行く。どうせ沢を渡ってからスカイラインを行くのだし。

温泉街奥の駐車場に眼を遣るとOさんの車のドアが開いている。彼にしては早仕舞だな。声をかけてみる。Iさん夫妻もいる。3人で藤内沢を降りてきたとか。じゃあ僕は別行動で丁度良かったじゃん。
今日なんて各山岳会、冬合宿で藤内はガラガラ。こんな日に登らないでどうするの。勿体無い。ロートルおじさんが言う事ではないか?

13:30 ゲート着。あれまあすっかり融けちゃって。

濡れ物を車の中に干し、温泉へ。
希望荘は3日まで一般入浴はお断りとの事。「やっぱり。」
ヘルシーパルへ向かう。こちらはやってました。そして大入りです。こんな時営業してくれるのは有難いですね。今年は正月2日から温泉初め。良い年になりそうです。


2006年01月02日23時30分00秒

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