木々の香り

久々の御嶽山


20050814

久々の鈴鹿以外のHiking。S司が付き合ってくれると言う。S司と一緒なんて何年ぶりだろう。最後に行ったのは、たしかまだ高校の頃だった筈。凄い強行軍でヨレヨレになり帰宅した覚えがある。
今回は「足を引っ張るといけないから近場でいいわ。」との事で、いつも通り安近短の御岳。
出かける前に天気予報を見ると、日曜日はどこもかも雨。
S司の車の練習という目的もあるので、ダメ元で行くだけ行ってみよう。

前日(8月13日土曜)の夜8時半頃自宅を出る。
月が出ている。があまり期待はしないでおこう。
S司も一般道の運転は大分慣れたようだ。しかし山道に入るとおっかなびっくり。カーブの様子が分からずモタモタやっている。真っ暗な山道ではコーナリングランプが無いと曲がる先の様子が見えないからなあ。New A6 のヘッドライトはステアリングと連動し曲がる方を照らしてくれるそうだ。New A6 ならS司でも上手に運転出来るかもしれない。いずれパクリのT社さんもマネをして出してくると思われるが…。
8月14日 0:30 a.m. 田の原着。結構時間がかかった。途中で腹が減ったとか言い出しラーメン休憩入れたせいか?
トイレのため車を出てビックリ。満点の星屑。天の川もよく見える。こんな星空は本当に久しぶり。惜しむらくは社務所の照明。これが無ければもっとよく見えるのに。
試しに写真を撮ってみる。3脚は持ってきてないので車の上にカメラを載せそれを手で支えながら撮影。バルブがないのでマニュアルで、シャッター速度30秒(これが最長)感度ISO1600、当然絞りは開放。ノイズだらけでうまく映りませんでした。(ブレも入っている。)やはりコンパクトデジカメでは一眼レフほどの拡張性がなく星空の撮影は難しいですね。


撮影は諦め寝袋に包まって就寝。


5:50 a.m. おしっこがしたくて目覚める。既に外は明るい。空模様は?と見上げるとピーカンの快晴。
まだ崩れていないのか、予報が外れたのか?

まだ寝ているS司を無理やり起こし支度を始める。


7:15 a.m. でっぱつ。
朝、車から出た時に気付いた木々の香り。ずっと香り続けている。亜高山でないと味わえないこの芳香。なんと表現すれば良いのだろう?香ばしいようなこの香り。ずっと忘れていた懐かしい香り。鈴鹿なんかじゃ絶対に味わえないこの香り。
やはり本番は良いですねえ。こんな香りや身体に染み入る涼風などがつい若い頃の事を思い出させてくれます。こんな事で感傷に耽るってやはり年寄りなんでしょうねえ。

空はピーカン、道端には大輪のアザミやヤマハハコの花。
アザミの花を見るとつい口ずさんでしまうアザミの歌。

山には山の愁いあり。海には海の悲しみや。
まして心の花園に、咲きしアザミの花ならば。

高嶺の百合のそれよりも、秘めたる夢もひとすじに。
くれない燃ゆるその姿。アザミに深きわが想い。

いとしき花よ汝はアザミ。心の花よ汝はアザミ。
さだめの径は涯てなくも、香れよせめてわが胸に。


ひとり良い気持ちになっていたらS司が、「先に行ってて、準備体操してから行くから。」
ひとりで歩いていると後ろからS司が追い越していく。なんと駈け足。
「おいおい、体調崩すぞ。」と言いたいところだがもう聞こえないほど先にいってしまった。標高2,000m超えでいきなり走り出すとは。バカなやつ。
でも、その後行けども行けども追いつかない。休んでいる様子もない。
本当にマイペースなヤツだ。典型的なB型人間だ。人に合わせるなんて事全く眼中に無いようだ。

8:00 a.m. 檻入りのお不動さん着。
既に田の原は遥か下。


8:35 a.m. 水場着。今日は涸れずにポタポタと沁み出しているようだ。


8:50 a.m. 大のぞき着。
道端に桔梗が咲いている。


9:00 a.m. あと一息で王滝頂上。

まだS司に追いつかない。どこまで行ったことやら。燃料補給したいがエサは全てS司が持っている。こちらは昼のエサ用の水2Lしか持っていない。我が子ながらそのマイペースさに呆れる。
こんなんでお嫁さんに来てくれる人いるのだろうか? 余程相手が大人でないと難しいだろうな。姉さん女房でないと無理か?

9:10 a.m. 王滝頂上着。
ここにもS司は居ない。剣が峰へ向かったのだろう。


剣が峰の小屋の手前で上を見上げると、S司が駆け下ってくる。
「迎えに来た。」急性高山病でぶっ倒れていないか?との心配は杞憂に終わる。
最後の石段も、ヘロヘロの親爺を尻目に駆け上がって行く。
「おいおい、ここって3,000m超えてるんだぜ。」
あの、ひ弱だった子が急に手の届かない処へ行ってしまったような気がして、嬉しいような、寂しいような。こちらも歳とる筈ですねえ。
考えてみれば、もう10何年も2,000m近い所でトレーニングを続けてきたのだ。心肺機能も高くなっている筈だ。

9:30 a.m. 剣が峰着。祠に参拝。

独立峰からの景観を楽しむ。

写真におどけてポーズをとるところなぞ、まだまだ小学生並み。精神的にはまだまだ子供。ああ、これじゃあ嫁さん貰えんわ〜。


予報に反し凄く良い天気。西側には雲ひとつ無く、田の原側からはガスが湧き上がりそれが大きな夏雲になってゆく。
北東側に眼をやれば、御岳ロープ、開田高原のスキー場がうっすらと霞んで見える。その向こうに細長い盆地に張付いた開田の町並みが霞んでいる。

燃料補給の後、お鉢巡りしようと言うと、S司は「もう降りる。」と言う。
折角来たのだからと、渋るS司を説き伏せ、二ノ池までという事で手を打つ。

祠の裏側に回ると西風が冷たい。涼しいを遥かに通り越している。こりゃ寒くてかなわん。
ズルをして剣が峰北側へトラバって行くと、恐いお兄さんが2人、「ここは登山道じゃありません。」
仕方なく外輪山稜線を地獄谷側へ戻る。でも寒い西側稜線を辿る気はもうとう無い。風の影になっている一ノ池の周りを行くつもり。(一ノ池横断は止めた方が良いです。ぬかるんでいて靴が汚れます。嵌って抜け出られなくなるかもしれません。)


外輪山北端を乗越す。目の前に広大な賽の河原が広がる。その向こうに摩利支天が屏風のように立ちはだかっている。


二ノ池へ降る。
いつも雪渓の真上からその横のザレ場を駆け下る(道を歩くより楽チン)のですが、コマクサがあちこちに咲いている。せっかく咲いたものを踏み荒らすのは気が引けます。それで今日は遠回り。

池の周りは花がいっぱい。短い春(夏?)を精一杯味わっているようです。
このあたりシオガマは無いようですが、賽の河原にはいっぱい咲いてます。(今日はPASSですが。)


10:35 a.m. 二ノ池着。いつもながらコバルト色の水に雪渓の白がアクセントを沿えています。

小屋の裏に上がれば、賽の河原の向こうに三ノ池への降り口が見えています。良い天気だし、後ろ髪を引かれる思いを断ち切り、剣が峰トラバース道へ向かいます。

花の咲き乱れた散歩道。早仕舞いすると時間的に余裕ができ、のんびりと良いものです。
老化のバロメータばかり気にしてたんじゃ、こんなゆったり気分にはなれません。


11:25 a.m. 王滝頂上通過。奥の院へ行こうかと思ったがS司は既に大分先を行っている。やはり今日は早仕舞い。温泉でゆっくりするとしよう。
2人して石段を駆け下る。なんで降りってこんなに速いの?
Netを見ていると、降りで膝を痛めるとか中高年の方々がよく仰っている。
幸か不幸か私の場合そんな経験はした事がない。ドスンドスンと降りるのは毎度の事で、そんな事で膝って痛むものなんですかね〜。…なんて言っていられるのも今の内だったりして。
ひょっとして膝を痛める方って踵で歩いていませんか?つま先で歩いていれば必ず足首がサスペンションになり膝に衝撃がかかる事は無いと思うんですがね〜。


檻に入ったお不動さん辺りから急に生暖かくなってくる。山上の肌寒さとはこれでお別れ。既に下界に足を踏み入れたようだ。しかし所々ナナカマドも紅葉しており秋の装いに取り掛かっている。
ふと振り向くとガスがすぐ後ろまで迫っている。山頂付近は雲の中。天気予報当たってるじゃん。
12:25 車に帰着。
雲隠れした御岳をバックに、はいポーズ。

小腹がへったのでカップ麺でも作ろうとブスを出す。メタに火を着けようとライターで点火。 カチッ、カチッ。「あれ〜、着かない。」圧電の火花が出ない。これじゃあ上でもエサが作れなかったな。何のために2Lの水とブス、鍋を担いでいたんだろう。相変わらずドジだけは天下逸品である。おまけに天気は急速に悪化したし。
晴れ男2人の相乗効果で上にいる間だけ好天だったのかな?
それともS司の野生の勘が気圧の低下を予知してたのか?(それで早く降りると言っていたのか。)
親の私が言うのも変ですが、S司は未知の生命体です。渡り鳥のように体内コンパスは備えている。鳩のように帰巣本能も備えている。小動物のように人には聴き取れない高周波音も聞き取れる。おまけに気圧の変化も感じ取れるようだ。こんな子には人並みの行動を期待する方が無理なのかもしれない。留年もいたしかたの無い事なのかもしれない。


温泉目指して山岳ドライブ。やはり明るいと道路状況が把握し易いようで夕べよりはスムーズ。
御嶽山はすっかりガスの中。


【うしげの湯】情報

いつもは飲める筈の炭酸水に【飲めません】の表示。お湯も以前より透き通っている。
一瞬、「源泉が涸れたかな?」と思い、S司に冗談っぽくそう話していた。
湯上りにS司が壁に貼られた物を読んでいる。「何?」っと訊くと、「お父の言った通り。」 湧出量が減り水を足したり循環させたり、また消毒薬を加えたりしているそうだ。
これじゃあたいまい¥600.の価値はありませんなあ。次回からは遠回りしてでも【けやきの湯】に行きましょう。あそこはまだ源泉100%に¥400.ポッキリ。浴槽がチョット狭く、露天風呂もありませんが水割りの含添加物温泉より余程ましです。


2005年08月15日11時10分00秒

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