今年は山に限らず里でも花付きが良い。
Net情報では竜ヶ岳のシロヤシオも素晴らしい花付きとか。あそこの北側は笹の緩斜面が広々と続きその中に立つシロヤシオは遮るものが無いのでさぞかし圧巻だろう。それほどのものなら鬱陶しい林道歩きも我慢できるかもしれない。
昔はよく宇賀渓へも行ったものだが最近はとんとご無沙汰。竜ヶ岳へは御在所通い再開時に一度行ったきり。少なくとも4年以上は足を踏み入れていない。
「それじゃあ、行ってみるか。」とほぼその気になっていたが…。
気が付けば桑名の分岐で右折するのを忘れていた。のろのろ運転の大型車の行列に気をとられ左車線から追抜きをかけ右折車線に入るのをすっかり忘れていた。こりゃあ完全にアルチュウハイマーに冒されている。
「まあいいさ。曇っている事だし。それにシロヤシオも終わっているかも知れない。」負惜しみだけは忘れずに出てくる。
と云う訳で今日も飽きずに御在所通い。
温泉街への道と別れスカイラインへ向かう。グリーンホテルの手前の直線道路は真正面に御在所が見える。ここからだと綺麗な三角形をしている。またスカイラインに入ると富士見岩を擁した荒々しい姿が見え隠れする。この辺りから見る御在所が好きだ。冬場の、朝陽に輝く雪を纏った姿なぞ息苦しくなるほどの威圧感がある。なぜか私はこの威圧感に引き寄せられる。
ものごころついた時には山はいつも身近にあった。あったと言うより、いつも背後に山が迫っていた。幼心にも常に威圧され息苦しさを感じていた。荒々しい岩山を見ると幼児期の記憶が刺激され、より一層山に惹かれるのかもしれない。
たおやかな峰々も安堵感が湧き嫌いではないが、なぜか急峻な方に惹かれる。同じ鈴鹿でも他の山域に興味が湧かないのはこのせいかも知れない。僕ってマゾっけがあるのかな?
7:00 a.m. 出発。道路沿いのタニウツギはもう萎れている。その隣の空木は真っ白の卵型の蕾がびっしり。既に開いているものもある。うまくバトンタッチできて、来週あたりは満開か?
雨上がりのようで冷んやりとしているが湿気が多く蒸す。ぼちぼち夏か。既に半袖Tシャツ姿に変わって久しい。もうこれ以上は脱げない。お相撲さんじゃあるまいし、スッポンポンで歩く訳にもいかん。早く秋にならないかな〜。
7:35 a.m. 地蔵岩。滴る汗を拭う。多少風があるのが救いか。
この辺り、シロヤシオはほぼ終わりだが替わりにいろんな花が咲いている。コアジサイも蕾が青くなりかけている。
8:05 a.m. 北谷側テラス着。周りのガスがだんだん濃くなってくる。でも雨の心配はまだ無さそう。
シロヤシオは落花盛ん。花が多かったせいか道端の落花も尋常ではない。
それでも見上げればまだまだいっぱい咲いている。
8:25 a.m. 富士見岩末端の岩稜帯着。
このあたりまだまだしっかり咲いている。先週まだ蕾だったサラサドウダンが満開となり、ベニドウダン、シロヤシオなどと競演している。
頂上直下のガレでは相変わらずイワカガミとハクサンリンドウの競演。
富士見岩から朝陽台までは、またもやサラサ、ベニドウダン、シロヤシオの競演。
いずれも皆、花付きが良く近年稀に見るほどの圧巻。
8:45 a.m. 朝陽台着。今日もまた写真休憩のおかげでこんな時間になっちゃいました。
遊歩道を漫ろ歩き。望湖台へ向かう。先週はまだシロヤシオの蕾も多かったが今日は全て開いている。今日明日くらいが最後かな? サラサは先週蕾だったものが全て開き今が真っ盛り。来週もまだ楽しめそう。
三角点への階段も御覧の有様。
9:10 a.m. 望湖台着。生憎雨乞岳はガスの中。イブネの下方、愛知川より少し上の斜面一帯がいやに白い。あれもシロヤシオか。国見岳南西斜面は先週同様真っ白。今日は国見岳へでも行ってみるか。
スキー場を抜けて国見峠へ向かう。
国見峠へのルンゼ沿いはリンドウ、イワカガミの宝庫である。いや、今年だけかな?
降りきった所の大岩で休憩。寝そべって燃料補給。
ウグイスが頻繁に鳴いている。虫の羽音が聞こえる。他にはなにも無い。
目を閉じる。うーん爽やか。石門の上よりこちらの方がのんびりするには良い所です。滅多に人も通りません。
ぼちぼち出かけるか。藪を漕いで国見峠へ。
峠からの登りがまた気持ちが良い。ここもシロヤシオがいっぱい。
9:55 a.m. 南面テラスで小休止。ガスが渦巻く藤内もまた一興。
その後石門へ。
10:10 a.m. 国見岳山頂着。
祓戸方面はガスで見えないがそれに連なる尾根上が白い。(ヤシオ尾根とか言うらしい。最近付けられたものか?)
その白さに魅せられて、祓戸まで足を延ばす事にする。
だんだん曇ってきたせいか発色は良くないが周りはシロヤシオかミズナラばかり。落花は多いがまだまだ咲いているのも多い。
降りにさしかかると正面に祓戸。腰越峠までもう一息。
11:05 a.m. 腰越峠着。このまま一気に祓戸まで。
11:15 a.m. 祓戸着。生憎湿気が多く四囲の山々ははっきり見えない。
遠くで厭な音がしている。ゴロゴロガラゴロ。ランチタイムは急遽中止。まだ雲の中だけのようだが君子危うきに近寄らず。低い所へスタコラサッサ。
腰越峠で燃料補給。ゆっくりとお茶を沸かして寛ぐのは止め。急ぎパンを掻きこみ、裏道目指してスタコラサッサ。
のんびりしてて雨にうたれるのも鬱陶しい。早足で駆け下る。と言ってもここはアップダウンが多い。ヒーヒー言いながら登ったり、よろめきながら駆け下ったり。ああ足が縺れる。年寄りはつらいよ。
こんなに一所懸命歩いたのに、いつのまにか日が射したり。「ああ、急ぐんじゃなかった!」
不動谷の水で顔を洗う。めっちゃ冷たくて良い気持ち。冷たすぎて長時間水に手を浸けていられない。
後は藤内小屋経由、裏道から中道へ。最後の登りも軽快に。なんだ坂、こんな坂、なんだ坂、こんな坂。
12:55 車に帰着。「おっ、いい時間。」さっさと温泉入って帰ろう。
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