やっとかめ冠雪HIKE
〔中道−御在所−武平峠−鎌ヶ岳−三ツ口谷〕

20031213
6:50 a.m. 湯の山最奥駐車場着。
雲が多く朝陽が弱くモルゲンロートは申訳程度。それでも白く塗られたカンバスは薄っすらと赤紫色に染められている。

7:05 a.m. 出発。もう赤みが消えてしまった。

小雨に混じり雪も舞っている。これくらいなら濡れて行こう。


7:40 a.m. 岩棚着。御在所は雲の中。時折激しく霧雨が吹きつける。
辺り一面乳白色の世界。かすかに朝陽が伊勢湾に反射している。

お地蔵さんも綿帽子。尾根筋に出ると結構雪が付いていて綺麗。

キレットもちゅるちゅる滑って面白い。来週辺りアイゼンを用意しなくっちゃ。タイヤもぼちぼち替えなくっちゃ。
その上の凹角は木の梯子から乗り移るのが難しい。梯子の雪で滑り危うく落っこちそうになる。「おとっとー。」つい声が出てしまう。チョックストーンも雪が被っていてよく滑る。腕力でごまかす。

8:10 a.m. 北谷側テラス着。

国見尾根もぼんやりとしか見えない。富士見岩も同じくぼんやり。

上部岩稜帯の少し下、登山道に突き出していた木が切り取られていました。(先週気付いてたのですが)

これ、シロヤシオなんです。別にそう邪魔になる訳でもないのにチョットでも目障りなものは切ってしまうんですかねー?
登山道整備をしてくださる方々には感謝していますが、この木はちょうど私にはマイルストーンのようなものだったので少し残念です。
また春にはこの張り出した木の先にいっぱい花を付けて目を楽しませてくれてました。
多少歩き難くてもかまわないのに。と思うのは私だけでしょうか?

8:30 a.m. 岩稜帯着。薄っすらと雪化粧した岩肌が綺麗!


8:50 a.m. 富士見岩展望台着。ガスの真っただ中。なーんも見えん。
8:55 a.m. 朝陽台着。武平へ向かう。
山頂一帯もやっとかめの雪景色。これくらいの薄化粧が綺麗で良い。もっと積もった白一色の世界もそれはそれで綺麗だが。

峠道も高度を下げてくると明るくなりやがて薄日が射し始める。

両脇からしな垂れ掛かる笹の湿雪がズボンに付着しだんだん濡れてくる。
合羽を出そうかと思うが「どうせ濡れついでだから。」と無精者の自分が顔を出す。
こんな時はやはりウールの方がいいな。ポリエステルのように水分を吸わず、弾いてくれるのでこんなに濡れることはない。ふと昔の事が思い起こされる。付着した雪が氷の粒になりそれがけばだった繊維の先に垂れ下がりまるでシャンデリアみたいになる。歩調に合せシャンデリアが揺れそれが陽を受けるととても綺麗だった。(化石の戯言)

峠が近付いてくると、樹枝に付いた霜降り状の雪が綺麗だ。


9:50 a.m. 武平峠通過。
濡れたズボンがつっぱって歩き難い。おまけに風も強くなってきた。寒い。しんどい。
ガス欠寸前。パワーが出ない。それに眠くなってきた。生あくびが出る。展望岩の風の陰で燃料補給しよう。
10:20 a.m. 展望岩着。ザックに腰掛けアンパンをかじる。唾液が出ない。頬がこわばりうまく噛めない。時間をかけゆっくりと咀嚼。でも長居は寒い。半分残しでっぱつ。

こんな中途半端な季節が一番つらい。石の上に薄くのった雪はちゅるちゅるとよく滑るし、気温が高い時の湿雪は衣類を濡らし体力を消耗させる。(合羽を着けない自分の責任。自業自得なのだが)
おまけに先程の休憩ですっかり手が凍えてしまい、その上にべたべたの手袋を着けたものだから指先の感覚まで無くなってしまった。温もりが戻るまで暫くかかりそう。
10:30 a.m. 三ツ口谷源頭部着。
雪景色に誘惑されて凍える手もなんのその、周りをパチパチ。でも大したことなかったな。


10:50 a.m. 鎌山頂着。祠に柏手。「?、あっ、いつのまにか手に温もりが戻っていたな。」
今日は山頂には誰もいない。しめしめ。こんな天気に登ってくるやつはいないか。
定位置に陣取り久しぶりにツェルトを被る。暫く空焚きして、手袋とズボンを乾かす。
湯気が立ち込め、ツェルトの中が乾燥室に早変わり。「ウー、暑い。」冷え切っていた身体が今度はゆで上がってしまった。

冬場でもよく中高年ハイカーを見かけます。そして、皆さん寒い中を平気で長時間の休憩を取っておられます。一度訊ねて見たい事、「寒くないですか?」
皮下脂肪が多いのかな?でも神経は脂肪層の外側だから寒さを感じるのは同じだと思うが。僕が寒がり過ぎるのかな?
普通、行動中はあんなに長時間の休憩は取らず、エサも行動食で済ませるのでは?
かく言う僕も長時間のランチタイムをとっていますが、これはあくまでも暇つぶしに来ているからです。そして身体を冷やさないようにちゃんと暖房室を用意してます。

エサの用意を始めたら外が賑やかに。「やはり! こんな天気でも上がってくるとは。凄い中高年パワー!」
12:05 撤収してデッパツ。
ガスの流れが速く、時々鎌尾根が姿を現すが、あっと言う間にまた隠れてしまう。山頂北側も時々青空が覗く。

山頂祠へ戻ると、さっきの話じゃないけれど、吹きっさらしの中で中高年団体さんがお昼の用意をしている。ガスバーナーの火も風に飛ばされ調理に時間がかかるだろうに。
でも皆さん和気藹々。話が弾んでいる。寒そうな顔の人なんていない。やはり僕の寒がりが異常なのか。

三ツ口源頭を目指し直下のルンゼを降る。一瞬ガスが晴れ峠付近の眺望が広がる。カメラを出し暫く待つが一向に晴れない。

三ツ口谷分岐まで来るとガスも晴れ、見通しが利く。
時折 日が射し霧氷が輝く。「やはり雪の季節が一番いいなあ。厳しさを秘めた美しさに引かれるのかなあ。」


三ツ口谷を下降。樹林帯に入ると下草の雪も既に落ちており、もうズボンを濡らすことは無い。山道の雪も殆ど消えており快調に降る。

13:00 三ツ口大滝下に降り立つ。
靴の紐を締めなおす。この冬靴、外皮がべたべた。ゴアテックスのおかげで内側は全く濡れていないが外はこのままでよいのか?最近の道具はよくわからん。昔の靴(裏出革)は保革油を塗るよりロウソクをたらしアイロンで沁み込ませた方が防水性が良く、皆そうしていたが・・・。
気温が低けりゃこんなに濡れることもないか。


13:20 三ツ口ダム通過。

この下で中高年団体さんに追いつく。ここまで降りてきてしまえば後はほんの少し。別に急いでる訳でもないのでそのままついて行く。暫くしてから最後尾の人が気付き前の方にコールをかける。が、気付かない。皆さんてんでに世間話に余念がなく全く聞いてない。それも数人ごとの塊になりその間が数m空いている。何人いるのかなー。
周りに注意している人は誰もいない。先頭が道を間違えたら全員間違えたままだろう。間違えた事すら気付かないだろう。団体行動にはそれなりの楽しさも有るが必ず連れてってもらうだけの人ができてしまう。
別に非難している訳ではありません。うちの会でも茶飯事でした。若くは無くても日常生活とは違う出会いを求めて団体山行に参加しているのかもしれません。そこからロマンスが生まれる事もあるかも?
難度を上げることを目的とした山行があるように、安全圏だけで出合いを求めるピクニック山行もひとつの形態かな?なんて思いました。

13:40 車に帰着。
御在所山頂部はまだ白いまま。待ちに待った雪も楽しめたし。木枯らし小僧のカン太郎やーい、来週も来てねー。

温泉で再度芯から身体を温め帰途に就く。

2003年12月14日00時17分00秒

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